2012-12-01から1ヶ月間の記事一覧

映画『心中天網島』

10月から12月まで上映の「日本映画スター・ベスト30」特集が28日まで。 今月は、野口博志監督の『拳銃無頼帖 抜き射ちの竜』(1960年、日活)のあと、26日、篠田正浩監督の映画『心中天網島』(1969年、表現社、ATG、103分、白黒)を鑑…

小沢昭一さん追悼

年末の雑誌『サンデー毎日』と『週刊文春』で、中野翠と小林信彦の連載は、どちらも小沢昭一追悼文だった。 小沢昭一さんは、脇役での演技に味がある俳優だった。 渋谷実監督『勲章』(1954年、俳優座、120分、白黒)の寄席で落語家のアルバイトをや…

女優・山田五十鈴

女優の山田五十鈴さんが7月に亡くなられた。 この一年ほどに観た山田五十鈴・出演映画のこと。 「日本映画 スター・ベスト30」の一本で、小津安二郎監督『東京暮色』(1957年、140分、白黒)に、原節子、有馬稲子、笠智衆、杉村春子と共演していた…

渋谷実監督の映画『好人好日』

松竹キネマ90周年記念「喜劇映画の異端児 渋谷実監督特集」を、1月に鑑賞した。 淡島千景の出演映画の1本。 渋谷実監督の映画『好人好日』(1961年、松竹、88分、カラー)を観た。観客は40人ほど。 原作は中野実で、脚本が松山善三。撮影は長岡…

淡島千景とリボンの騎士

今年を回顧する。2月に淡島千景さんが亡くなられた。 1月の寒気厳しい時期に、松竹キネマ90周年記念「喜劇映画の異端児 渋谷実監督特集」を観に通っていた。 上映作品のうち、渋谷実監督の映画『好人好日』(1961年、松竹、88分、カラー)と『自由…

回顧

晴れて、最低気温1℃、最高気温5℃。低温注意報が出ている。 もう師走である。 いそがしい事があって、日々生活が落ちつかない。 そんな気持ちではないでしょうか。 こういう時に田中美穂著『亀のひみつ』がお薦めです。 亀という生き物の生態に俄然興味を惹…

コブシ

7日は二十四節気のひとつ大雪であった。 七二候では、このころネコヤナギが出るとある。 ネコヤナギの密生した毛のある穂に似た毛のあるコブシを見た。 モクレン科の落葉高木。山野にみられ、葉は幅広の倒卵形、春、葉より先に、大形の香りのある白色の六花…

映画『拳銃無頼帖 抜き射ちの竜』

「日本映画 スター・ベスト30」が、10月から特集で上映されている。 12月は、《夭折のスター赤木圭一郎のシリーズ第1作「拳銃無頼帖 抜き射ちの竜」、佐田啓二と岸惠子の共演で、戦後のメロドラマの代表作ともいえる「君の名は」三部作、市川雷蔵が悲…

『千駄木の漱石』を読む4

森まゆみ著『千駄木の漱石』では、「お墓参りがしたいーー『趣味の遺伝』」で、漱石の『趣味の遺伝』を研究的に読んでいる。 主人公は日露戦争の凱旋行事が、東京駅がまだ出来ていない頃の新橋で行われるのを見に行く。 白山、西片、駒込、原町、久堅、本郷…

『千駄木の漱石』を読む3

森まゆみ著『千駄木の漱石』で、夏目漱石の『吾輩は猫である』のモデルについて、 漱石の住んだ界隈には和洋折衷の高級借家のようなものが二十年ほど前までいくつかあった。それらはおそらく漱石がいなくなってから建ったものだろう。私は漱石旧居の前を入っ…

『千駄木の漱石』を読む2

森まゆみ著『千駄木の漱石』は、夏目漱石の手紙を引用しながら、また妻鏡子の『漱石の思い出』で語ったこと、半藤末利子『夏目家の糠みそ』『漱石の長襦袢』などを参照しながら、漱石のお見合い、妻鏡子の実家中根家の事など述べてゆく。二人のお見合い写真…

『千駄木の漱石』を読む

地図の雑誌で「ラパン」という雑誌があった。 種村季弘の「東海道寄り道紀行」という連載があり楽しみだった。 その連載を収録した『東海道寄り道紀行』が、今年の夏に刊行された。 東海道沿線の駅から川をさかのぼって温泉地や峠などを漫歩する。 二篇ほど…

女優・井上雪子

朝の最低気温が3℃、最高気温が7℃だった。冬本番の寒さである。 先月(11月)、22日の新聞に女優・井上雪子さんの訃報記事を目にしました。 それによると、 30年に松竹に入社。小津安二郎監督の「美人哀愁」(31年)や五所平之助監督の「マダムと女…

成瀬巳喜男の『驟雨』と小津安二郎の『東京暮色』

朝の最低気温が5℃で、日中は晴れて最高気温が11℃であったが、夕方から冷え込む。ぶるぶる。 「日本映画 スター・ベスト30」が10月に引き続き、11月も上映された。 観客が夏に選んだ映画スターベスト30の出演している映画の上映会である。 28日…