2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧

サアディーの『果樹園』

今月(7月)の平凡社からの新刊でサアディーの『果樹園』が気になる。 いつぞやアボルファズル・ジャリリ監督の『ダンス・オブ・ダスト』と『トゥルー・ストーリー』を観た時に、イラン人留学生によるコーランやハーフィスの詩集がロビーに展示してあった。…

緑陰読書

早朝からクマゼミのシャアシャアシャアという鳴き声が聞こえて来る。樹木の幹の低い場所にいることが多いセミだ。 断続的に鳴くが、なぜか正午前にはピタリと鳴き止む。不思議だ。 「翻(ひるがえ)る蝉の諸羽(もろは)や比枝(ひえ)おろし」(蕪村) 半翅…

「もうろくの詩(うた)」

25日、夜の7時、NHKテレビのニュースで森毅氏死去を知った。 コメントを池内紀氏が語っていた。ご冥福をお祈りします。 生前の森毅さんを偲んで、二年前の『もうろくの詩(うた)』に森さんの心境が書かれていたので再読する。 参照:「もうろくの詩(う…

『丹下左膳余話 百萬両の壺』余話

今日は二十四節気のひとつ大暑です。 早朝、気持ちの良い風が吹く。しかし、蝉の声が聞こえて来る頃には、夏本番の暑さです。 蝉の鳴き声は遠くなったり近くなったりとしながら、昼前にはさほど鳴き声は聞こえなくなります。 時折吹き抜ける風は涼を運んで来…

梅雨明け

12日から14日にかけて雨が降った。梅雨明け前の集中豪雨的な雨だった。 14日の未明から夜明けまえに雷鳴が聞こえた。 17日に今年の梅雨明け宣言があった。 今日は、青空に白い雲。陽射しが強く照りつける。まだ蝉の声は聞こえない。 公園の池のハス…

『大いなる休暇』

ケベックの映画、ジャン=フランソワ・プリオ監督『大いなる休暇』(2003年、110分、カラー、日本語字幕)を映像文化ライブラリーで観た。カナダのフランス語圏の映画である。 「ケベック映画祭2010」のうちの一本。 パンフレットに、 カナダ・ケ…

映画『大菩薩峠』余聞

私が『大菩薩峠』を読み出したのは、そういう状態が何日か続いたあと、ベッドの上で起き直って暫くは座っていられるようになってからである。その小説の冒頭、大菩薩峠を上ってきた老爺と孫娘の二人連れの巡礼が、ようやく頂上に辿りついて、二人はそこで弁…

『人情紙風船』と三村明のこと

10日、「生誕百年記念 山中貞雄監督特集」で、『人情紙風船』(1937年、P.C.L. 86分、白黒)を観ました。『河内山宗俊』は夜の雪の降るシーンと朝の雪の積もったシーンがいいですね。この撮影は町井晴美。 『人情紙風船』は雨に始まり、雨に終わる。…

映画『河内山宗俊』とパラパラ漫画

9日、「生誕百年記念 山中貞雄監督特集」で、『河内山宗俊』(1936年、日活京都太秦発声、81分、白黒)を観に寄った。 甘酒屋のお浪(原節子)は、弟の広太郎が幼なじみの花魁(おいらん)三千歳に同情して連れて抜け出したあと、二人で心中を図るが…

山中貞雄とナンセンス

先日、「生誕百年記念 山中貞雄監督特集」から『丹下左膳余話 百萬両の壺』(1935年、日活、91分、白黒)を観る。 冒頭のクレジットにウェスタン・エレクトリック・システムとあった。 そのためか、75年前の映画だが、フィルムと音声の状態が良かっ…

映画『水戸黄門 血刃の巻』

今日は、雑節のひとつ半夏生(はんげしょう)である。 7月プログラムに、 昨年の生誕百年を機に再び注目が集まるなか、映像文化ライブラリーでも、山中貞雄監督特集を開催します。「丹下左膳余話 百萬両の壺」「河内山宗俊」「人情紙風船」の3本の監督作品…