2009-01-01から1年間の記事一覧

大晦日

今日は大晦日。夜明け前から雪になっていた。 明るくなると外は雪景色でうっすらと白い。 ふわふわ牡丹雪が舞う。植物に降った雪も、時折晴れて陽射しがあるのでしだいに消えた。 一日中、0℃前後の気温で寒かった。 古井由吉の『人生の色気』が面白い。残り…

師走の読書

古井由吉著『人生の色気』(新潮社)を、先週から読み出した。枕本で少しづつ読む。ゆっくりなので年を越しても読むことになりそうだ。 28日の朝日新聞の斉藤美奈子の「文芸時評」が「出発点と到達点」(アナーキーな色気が熱い)と題して、今月の3点とし…

八朔と柚子湯

快晴で青空が広がり、陽射しが強い。最高気温9度。八朔(はっさく)の黄色い果実が鈴なりです。 柑橘類の黄色い果実は自然からの贈り物のような気がします。夜、柚子(ゆず)湯に入りました。 「ミネルヴァ通信」12月号の〈書物逍遥〉で、芝木好子の本が…

クリスマスと『流れる』

今宵はクリスマス。モミの木にクリスマスツリーが光のイルミネーションで飾られています。 「生誕100年 田中絹代・上原謙特集」から、成瀬巳喜男監督『流れる』(1956年、東宝、116分、白黒)を観ました。観客は10人ほど。 幸田文の小説『流れる…

『全線』

今日は二十四節気のひとつ冬至だ。寒気団の南下で厳しい冷え込みがつづく。 「エイゼンシュテイン特集」のうち、今日はセルゲイ・エイゼンシュテイン、グレゴリー・アレクサンドロフ共同監督の映画『全線』(1929年、90分、白黒、無声)が上映された。…

月と木星と夢想三句

午後7時、晴れた南西の空に月と木星が接近していた。並ぶように光っている。高度は30度くらい。 月と木星と海王星が集合して見られる日であるが、肉眼では海王星は確認できず。月と木星の二つの天体が並んでいる光景が見られた。 蕪村の句に、「冬こだち…

東京ひとり散歩

晴れて陽射しが強いが、低温で厳しい寒さがつづく。柑橘類の八朔の黄色い色が明るい。 嵐山光三郎『「下り坂」繁盛記』と池内紀『東京ひとり散歩』を読み終える。 『「下り坂」繁盛記』のなかで、「ひとつとなり」という文がちょっと面白かった。 嵐山さんは…

映画『ストライキ』

朝、この冬一番の冷え込みで氷点下だった。 晴れても日中の最高気温4度。寒気団の南下でぶるぶる寒い。 山間部では雪が降っている。かなりの積雪である。 蕪村の句に、「牙(きば)寒き梁(うつばり)の月の鼠(ねずみ)かな」。安永七年の句である。 「エ…

「くるくるくるりん」

小春日和。川岸の街路樹に桜が咲いていた。花弁(はなびら)は、白と淡い紅色の混じった八重である。そばで見上げると青空を背に桜が美しいですね。冬の桜です。 13日の朝日新聞で「小津安二郎 柔らかな素顔」と題して、小津監督の弟信三さんの妻であるハ…

『晩菊』

連日上映されている「生誕100年 田中絹代・上原謙特集」で、成瀬巳喜男監督の『晩菊』(1954年、東宝、101分、白黒)を観に寄った。観客は15人ほど。 クレジットタイトルを見ると、林芙美子の小説三篇を元に、脚本を田中澄江と井手俊郎が書いて…

『山の音』

日の暮れるのが早い。日没が四時半過ぎである。 冬至が過ぎるまでが夜が長い季節である。夕方、幸い雨もあがって曇り空で暖かかった。 「生誕100年 田中絹代・上原謙特集」で成瀬巳喜男監督『山の音』(1954年、東宝、94分、白黒)を観に寄った。週…

「待ち合わせは映画館で」を聴く

終日、しぐれ模様。夕方に雨あがる。 蕪村の句に、「浦千鳥草も木もなき雨夜かな」。 6日のラジオ深夜便の「ないとガイド」は、宇田川清江さんの担当日。 「待ち合わせは映画館で」というタイトルで映画評論家の青柳秀侑氏の出演で放送された。 今月の公開…

『随筆日本 ─イタリア人の見た昭和の日本』

12月7日は二十四節気のひとつ大雪である。 「大雪」ではあるが、まだ雪は今年は降っていない。 朝晩が晴れていて冷え込み手足がかじかむ寒さだ。しかし、気温は12度まで上がり乾燥注意報が出ている。TVニュースでは北海道の旭川で雪が降っていた。 園芸…

『宗方姉妹』と『めし』

「生誕100年 田中絹代・上原謙特集」が、12月も引き続き開催されている。 3日、小津安二郎監督『宗方姉妹』(1950年、新東宝、112分、白黒)を観た。 大佛次郎の朝日新聞連載小説が原作。田中絹代、高峰秀子、上原謙、山村聰、笠智衆が出演。 …

「新・話の泉」を聴く

昨夜、NHKのラジオの番組で「新・話の泉」を聴いた。 出演は山藤章二、嵐山光三郎、毒蝮三太夫、松尾貴史、録音での参加の療養中の立川談志の各氏である。 立川談志さんから、これだけは食べたくないものをめぐっての質問が提起される。 その後、「世の中審…

『ロンドンの味』

サザンカの花が街路樹の生垣に咲いていた。冬の風物詩である。 日が暮れると東北東に、もうすぐ満月を迎える月が昇って来ていた。滑らかな川の水面にも月が白くゆらめいて映っているのだった。 《「さんさか」の音変化》ツバキ科の常緑小高木。九州・四国の…

『風の中の牝雞(めんどり)』

「生誕100年 田中絹代・上原謙特集」が11月、12月と映像文化ライブラリーで開催されている。 27日、小津安二郎監督の映画『風の中の牝雞(めんどり)』(1948年、松竹、83分、白黒)が上映された。観客は15人ほど。出演は佐野周二、田中絹…

『暁の脱走』

26日、映像文化ライブラリーに寄り、谷口千吉監督の映画『暁の脱走』(1950年、新東宝、110分、白黒)を観る。 田村泰次郎の『春婦伝』が原作。谷口千吉と黒澤明の脚色だ。観客が何時もより多い。 ホール内で「60年前の映画だよ。」と言う声がし…

詩はどこへ行ったのか

快晴で暖かかった。最高気温18度を記録する。小春日和である。 街路樹のソメイヨシノの葉が紅葉していた。青空が広がり 桜の葉が色付いて、目が覚めるような赤色だ。 日が暮れると、上弦の月が南に高く眺められた。 木星が右手に少し低く並んで輝いている…

ロバート・キャンベル氏の話3

ラジオ深夜便の「人生私流」でロバート・キャンベル氏の「私が江戸の文化を好きになった理由」の後半で、江戸文学の何が面白いかが語られます。聞き手は榊寿之アナウンサーです。 江戸時代の小説にしても随筆にしても自叙伝や手紙にしてもそこに書かれている…

ロバート・キャンベル氏の話2

10月17日のラジオ深夜便で、「人生私流」を録音していたのを聴きなおす。 出演はロバート・キャンベル氏で、「私が江戸の文化を好きになった理由」というタイトルで、聞き手が、この日が担当日の榊寿之アナウンサーである。 聞き取ったところを少し書い…

『一箱古本市の歩きかた』

大通りに光のイルミネーションが夕方になると灯り、18日からえびす講が始まっている。 書店で平台に南陀楼綾繁著『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)を見つけ買う。 12日の中国新聞で先日の「一箱古本市」についての記事があった。 南陀楼さんの話と…

『20世紀とは何だったのか』

「本はねころんで」で高杉一郎さんによる『エロシェンコ全集』についての話を興味深く読んでいます。 たまたま今読んでいる、なだいなだと小林司のお二人の対談本『20世紀とは何だったのか』1992年1月第1刷(朝日選書)に、エロシェンコと高杉一郎さ…

わたり鳥こゝをせにせん寺林

通りの街路樹が紅葉している。イチョウの黄葉やトウカエデの紅葉が鮮やかだ。落葉が街路樹の周辺に散って絨毯(じゅうたん)のようになっている。 カエデ科の落葉高木。葉は浅く三つに裂けており、秋に紅葉。四、五月ごろ、淡黄色の花がつき、翼のある実を結…

一箱古本市

「お好み本ひろしま2009 一箱古本市」が11月7日、8日と開催された。 前夜祭の6日を含めれば三日間である。 参照:「お好み本ひろしま2009 一箱古本市」http://bookrainbow.com/okonomi/ 7日の一箱古本市に参加した。出品する本を準備するまで…

「暗闇の楽器」ブーン、ブーン

『図書』2009年11月号連載の今福龍太《「薄墨色の文法」13――「唸り」一》が面白かった。 「暗闇の楽器」と題して、《回転によって音を発する素朴な民俗楽器に、私は長いあいだ魅了されてきた。》という冒頭の一行からはじまる文である。 ロイ・ロイ…

バッタと「大正式散歩」

墓参りに仏さんの花を持って行く。快晴で陽射しが強く汗ばむほどだ。 墓地の墓石にバッタがくっ付いていた。黄緑色のスマートな姿のバッタだ。 バッタを摘まんで、墓石から引き剥がし通路の敷石に置いてやった。逃げたりせずに敷石に超然としているのだった…

ミヒャエル・エンデが話したこと

夜、NHK教育テレビで「世界の児童文学者に聞く ミヒャエル・エンデ」を放送していました。 「ETV50もう一度見たい教育テレビ〜教養番組アンコール〜」という長いタイトルです。 エンデへのインタビュアーは若き日の山口昌男さんで、1986年8月25日放…

月と「見立て」をめぐって

10月23日は二十四節気のひとつ霜降であった。 このころ、霜が降り始めることから言うらしい。日中は陽射しが強く暖かいが、朝晩は寒くなった。 夕方、南の晴れた空に月が高く輝いていた。その左に木星が並んで光っている。 今宵は上弦の月である。 蕪村…