2010-01-01から1年間の記事一覧

冬至とゆず

22日は、二十四節気のひとつ冬至で、ゆず湯に入りカボチャを食べる。 小春日和の暖冬がつづいていたが、昨日からの寒波で冷え込む。 今朝の最低気温が0℃、最高気温が4℃。ぶるぶるっと寒かった。 冬至からクリスマスの頃には、柑橘類のゆずの実が出回り、…

『逆光』を読む

『逆光』を読む。 トマス・ピンチョンの『逆光』の下巻の方に、訳者の木原善彦氏の解説がある。 解説に、『逆光』を深く味わうために参照されるべき文献などが列挙されている。 「訳者あとがき」で、木原善彦氏が、本書(『逆光』)を読む際に参考になる文献…

月食と渡り鳥

皆既月食は残念ながら小雨が降って見られなかった。 今回は札幌で皆既月食を観望している人々のニュースで、月を見ることになった。 来年は6月と12月に月食がある。 先日から川に渡り鳥のヒドリガモが飛来している。毎年、同じ場所にやって来て、浅瀬の海…

「フォスコ・マライーニの最後の弁明」と映画『神曲』

『図書』11月号で、谷泰氏の「フォスコ・マライーニの最後の弁明」に驚いた。 谷泰氏がフォスコ・マライーニさんの最後の弁明文を紹介している。 2004年に、谷泰氏は、《わたしはこの死の知らせを聞き、フィレンツェへ赴き、旧市庁舎パラッツォ・ヴェ…

映画『春の劇』について

「ポルトガル映画祭2010」で、マノエル・ド・オリヴェイラ監督の映画について考えさせられた。 1908年12月11日ポルト生まれで、長篇デビュー作が1942年の『アニキ・ボボ』だが、その後、サラザール独裁政権下で長期間の沈黙を強いられ、長篇…

102歳の映画監督に乾杯!

11月から12月にかけてあった「ポルトガル映画祭2010」が映像文化ライブラリーで9日に終わった。 マノエル・ド・オリヴェイラ監督、ジョアン・セザール・モンテイロ監督、アントニオ・レイス、マルガリーダ・コルデイロ監督などの映画を観れた。残念…

「人、中年に到る」と軽快な老年

晴れて最高気温9.6℃、最低気温4.3℃。 まだコスモスの花は咲いている。花は北風に吹かれて揺れていた。 キク科の一年草。高さ一・五〜二メートル。葉は細かく羽状に裂ける。秋、白色や紅色の花を開く。メキシコの原産で、観賞用。あきざくら。おおはるしゃぎ…

J・G・バラード著『人生の奇跡』

12月7日は二十四節気のひとつ大雪であった。気温の低い朝を迎えた。 朝から曇り空で夕方には小雨が一時降った。夜半に晴れ上がり、星空になる。 深夜に、おおぐま座が昇って来た。 蕪村の句に、「夕時雨蟇(ひき)ひそみ音(ね)に愁(うれ)ふ哉」 20…

『ほろにが菜時記』と「エスプレッソ」マニア

塚本邦雄著『ほろにが菜時記』(ウェッジ)は、 新年、春、夏、秋、冬の食材をめぐるエッセイで、50種類の食材と「雑」として四つ、麩、チェリモヤ、エスプレッソ、むかしなつ菓子という項目があります。 冒頭の「序 ポモ・ドーロ!」で、 私説「ほろにが…

あるメルマガと『カニバイシュ』のこと

白水社のメルマガで、市之瀬敦「クレオール語をはじめて聞いた町から」 http://www.hakusuisha.co.jp/essay/coimbra.htmlを興味深く読んでいる。 「ポルトガル映画祭2010」が開催されているが、魅力的な映画の数々を見ることができる貴重な機会なので出…

「on reading 本を開けば」から

「ポルトガル映画祭2010」に連日通っている。マノエル・ド・オリヴェイラ監督の映画。 26日、『過去と現在 昔の恋、今の恋』に続いて、以下の2本を観る。観客はいずれも30人ほど。 27日、『神曲』(1991年、142分、カラー) 28日、『ア…

オリヴェイラ監督の『過去と現在 昔の恋、今の恋』

日本ポルトガル修好通商条約150周年を記念した「ポルトガル映画祭2010」が映像文化ライブラリーで始まった。 26日、マノエル・ド・オリヴェイラ監督の映画『過去と現在 昔の恋、今の恋』(1972年、115分、カラー)を観る。観客は30人ほど…

トウカエデと雑誌の特集

晴れて北よりの風が強く吹く。落葉が吹き溜まりになっていたり、ひらひらと舞い落ちて来る。トウカエデの葉が色鮮やかだ。夕方にかけて気温が下がる。 蕪村の句に、「西行の夜具も出て有紅葉哉」 雑誌『ブルータス』が「特集・映画監督論」だったから、手に…

紅葉狩と月見草

11月22日は二十四節気のひとつ小雪ですが、小春日和の日がつづいて街路樹の木々は美しい紅葉や黄葉を見せてくれます。高さ15メートルほどのトウカエデが紅葉していました。 立ち止まってうっとり眺めていました、今が紅葉狩りの季節ですね。 蕪村の句…

映画『集金旅行』

「特集・日本文学と映画」の一本、中村登監督の映画『集金旅行』(1957年、松竹、102分、カラー)を観る。原作は井伏鱒二。 ひょんなことから借金回収の旅に出ることになる旗良平(佐田啓二)に、慰謝料を集める小松千代(岡田茉莉子)の二人が、男の…

『あかいはっぱ きいろいはっぱ』

寒くなり北風が吹くと、街路樹の樹木からパラパラと葉が舞い落ちて来ます。赤い葉っぱや黄色い葉っぱや茶色い葉っぱが、地面を彩ります。 「塀外に二枚落ちたる柿紅葉」(虚子) 落葉の季節になると、開いてみたくなる懐かしい絵本があります。ロイス・エイ…

映画『青い山脈』前編、後編

7日は二十四節気のひとつ立冬だった。小春日和がつづく。 昨日は快晴で空は黄砂に覆われて、遠くの山並みが霞んでいた。 今日も晴れて気温は高く黄砂が飛んで来て春先のように霞んでいる。この時期の黄砂は珍しい。 街路樹など樹木の黄葉や紅葉が目に鮮やか…

マノエル・ド・オリヴェイラ監督の『家宝』

2010年が日本ポルトガル修好通商条約の150周年になるのを記念して「ポルトガル映画祭2010」が全国巡回している。まとめて見ることができる貴重な機会だ。できるだけ見ておきたい。 昨年(2009年)7月に「ポルトガルの巨匠 マノエル・ド・オ…

フォージア・サイード著『タブー』

11月8日の「アジア・リーダーシップ・フェロー・プログラム2010年公開シンポジウム」 「国際交流基金」のHPから、 今年度のALFPフェロー6名は、多様な分野の学者や活動家で、それぞれ専門分野は異なりますが、一つの共通点があります。それぞれの国…

中平康監督の映画『狂った果実』

今朝の朝日新聞で、佐野洋子さんが亡くなられたと知る。 『本の雑誌』にエッセイを連載していたのを愛読していた。後に、『佐野洋子の単行本』というタイトルの本に収録される。この本の奥付を見ると一九八五年七月二十日初版発行。 装丁・平賀甲賀。合掌。 …

本のリサイクルフェア

《読書の秋に、もっと本に親しんでいただくとともに、資源の有効活用を図ることを目的として、図書館の除籍した本を無償でお譲りします。お譲りする本は、古くなったり、利用されなくなったりした小説など大人向けの本や、絵本など児童向けの本です。》 《先…

銀杏とポルトガル映画のこと

11月に入って晴天がつづく。街路樹のイチョウの黄葉が目に鮮やかである。トウカエデの紅葉もほんのりと色付き始めた。 「とある日の銀杏もみぢの遠眺め」(久保田万太郎) 今月(11月)、日本ポルトガル修好通商条約150周年の「ポルトガル映画祭20…

映画『華麗なるアリバイ』

アガサ・クリスティ生誕120年で、クリスティ原作の『ホロー荘の殺人』を映画化したパスカル・ボニゼール監督の映画『華麗なるアリバイ』(2008年、フランス、93分、カラー、ヴィスタ)を観た。原題はLe grand alibi。サロンシネマ2で。 上院議員の…

虹とブルーノ・ムナーリ

早朝17℃が一日の最高気温で、以後しだいに気温が下がる。北風が強く吹く。 夕方、時雨(しぐ)れる。東の空に雄大な虹が立つのが眺められた。 夜、晴天で月と木星が明るい。夜9時過ぎに11℃。 雨上がりに、太陽と反対方向の地表から空にかけて現れる七色…

「わたしが大好きな本たち」

今夜のNHKラジオ深夜便は、柴田祐規子アナウンサーの担当日の「人生わたし流」で、「わたしが大好きな本たち」と題して、作家の川上弘美氏の出演だった。 本に関するあれやこれやを語る川上弘美さんと柴田アナウンサーとの談話を聴いた。 川上 寝るところに…

『聖林からヒロシマへ』

新刊の四方田犬彦著「『七人の侍』と現代」(岩波新書)で、キャメラマンの三村明についてふれられている箇所を興味深く読んだ。 この新書は「七人の侍」のもたらしたその影響を海外をふくめて丹念にたどっている。 各国語に翻訳されるといいのにな、と思う…

どんぐりと本

街路樹のトウカエデやイチョウの木がほんのりと色付き始めている。 シラカシの太い幹の根元には、どんぐりが周囲に落ちて散らばっていた。 どんぐりを拾う。 白樫 ブナ科の常緑高木。山地に自生。葉はやや細長く、裏面は灰白色。四月ごろ、尾状の雄花と苞(…

イチジクと「ラジオ文芸館」

秋晴れの過ごしやすい気温の日がつづき、イチジクが大きく食べごろになっている。 北海道ではイチジクの木は植えられているのでしょうか。以前、北海道の人からイチジクの木は見たことがないと言う話を聞いたことがありました。 永田耕衣の句に、「天地に無…

桂文我「花色もめん」

金木犀の香りがする季節になった。 桂文我のCD「おやこ寄席ライブ10」に収録の「じゅげむ」「夏の医者」「花色もめん」のうち、泥棒の出て来る落語「花色もめん」を聴く。 長屋で家賃を払っていない男が風呂に行っている間に、泥棒に入られる。男の家は盗…

池部良さんのこと

晴天がつづく。夏には見られなかった、さざなみのように広がる鰯雲(いわしぐも)が眺められた。日中は27℃もあり汗ばむ。金木犀の香りがこの秋初めて漂っているのに気づく。 10月8日は、二十四節気のひとつ寒露であった。 「昼中の残暑にかはる夜寒かな…