2013-12-01から1ヶ月間の記事一覧

フリッツ・ラング監督の映画『暗黒街の弾痕』

今月(12月)のもう一つの特集が「フリッツ・ラング監督特集」である。 35ミリフィルムで8作品が上映された。(11日〜28日) 映画『M』(1931年、ドイツ、99分、白黒) 映画『暗黒街の弾痕』(1937年、アメリカ、86分、白黒) 映画『マ…

フリッツ・ラング監督の映画『M』

《ドイツ表現派を代表する監督で、ハリウッドでも活躍し、20世紀の映画史に比類ない足跡を残したフリッツ・ラング。今回の特集では、ドイツ時代に制作した犯罪映画の古典的名作「M」、若い男女の過酷な運命を異様な緊迫感の中に描き、“30年代最高のアメ…

伊藤大輔監督の映画『忠次旅日記』

《各映画会社との協力のもと、デジタル技術を活用したフィルムの修復・復元に取り組んでいる東京国立近代美術館フィルムセンターの成果を一挙公開するものです。》 「蘇ったフィルムたち〜東京国立近代美術館フィルムセンター復元作品特集」が全国巡回してい…

子供の通信網

先日、新刊でインスクリプトから柄谷行人著『柳田国男論』のブックデザインがいいので手にとって見た。 冒頭の柳田国男と折口信夫についての文章に唸らされた。 『文学界』2014年1月号で、いとうせいこうと柄谷行人の対談「先祖・遊動性・ラジオの話」…

白山宣之著『地上の記憶』のこと

「本の雑誌」2014年1月号、「本の雑誌が選ぶ2013年度ベスト10」に、内掘弘『古本の時間』が選ばれている。 他に白山宣之『地上の記憶』が選ばれていた。 選評の箇所、 編B あとは『地上の記憶』。白山宣之という漫画家の遺稿集です。昨年、五十…

内濠に小鴨のたまる日向かな

天気曇り、最高気温9℃、最低気温5℃。 渡り鳥のヒドリガモが川岸に群れていた。嘴(くちばし)を水面下へ入れたり出したりしながら動き回っていた。ぴゅーぴゅーという鳴き声は聞こえない。 カモ科の鳥。全長四八センチくらい。雄は頭部が赤茶色で額が黄白…

ぼた餅の来べき空なり初時雨

9日、最高気温10℃、最低気温5℃。天気は曇りから後、午後に時雨(しぐ)れる。 公園の山茶花(サザンカ)が咲いていた。花弁(はなびら)は白色で、雨のしずくで濡れている。 高さが5メートルくらいもある樹木。山茶花の白い花弁が伸び広がった枝葉の隅…

中原淳一と映画『緑はるかに』

雑誌『ユリイカ』の11月号は、「特集・中原淳一と少女イラストレーション」である。 生誕100周年ということで、特集が組まれている。 中原淳一と同じ年、元号でいえば大正二年(1913年)の生まれといえば、小説家の織田作之助、建築家の丹下健三、…

政岡憲三の『くもとちゅうりっぷ』

今月(12月)は、「蘇ったフィルムたち〜東京国立近代美術館フィルムセンター復元作品特集」である。 5日、映像文化ライブラリーで「短編集1」(11作品、77分)の上映会。 上映の前に、学芸員の説明があった。今回の特集が、フィルムセンターとの共…

40年の感傷旅行

イチョウの黄葉が散り、イチョウの樹の周辺が葉っぱの敷物のようになっている。 「ちる木の葉渡世念仏通りけり」 小林一茶の俳句で、文化八年の句である。 もう一句、「落葉して日向(ひなた)に立たる榎(えのき)哉」 享和三年の句です。 師走に入り、一年…

宜野座菜央見著『モダン・ライフと戦争』2

師走、イチョウの黄葉が見ごろである。 最高気温14℃、最低気温4℃。 一茶の俳句に、「うかうかと出(いづ)れば日暮紅葉哉」。文化元年の句です。 宜野座菜央見著『モダン・ライフと戦争』を読みつづける。 紹介されている映画に、「サイレントからトーキ…