2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

映画『野良犬』

「生誕100年 黒澤明監督特集」が、映像文化ライブラリーで開催されている。 黒澤明監督の映画『野良犬』(1949年、新東宝、映画芸術協会、122分、白黒)を観に寄る。夜の部で観客は30人ほど。 冒頭、クレジットに撮影・中井朝一、脚本・黒澤明、…

山茶花のここを書斎と定めたり

最高気温が4℃で晴れているが、北北西の風が冷たい。街路樹の山茶花の花が冬の太陽の光に照らされて目にも鮮やかです。 ツバキ科の常緑小高木。九州・四国に自生。葉は楕円形で両端がとがる。晩秋のころ白い花をつけ、散るときは花びらがばらばらに落ちる。…

早梅や御室の里の売屋敷

二十日は、二十四節気のひとつ大寒だった。梅がまだつぼみである。寒波の影響かまだまだ開花は先のようだ。 そばに近寄って観察すると、白梅の梅の木だが、つぼみの先あたり、ほんのりと紅色である。 蕪村の句に、「早梅(そうばい)や御室(おむろ)の里の…

「転々私小説論」と原稿用紙の起源

夜、NHKラジオで「今夜も大入り!渋谷・極楽亭」を聴いた。先週はゲストが由美かおるさんだったが、今週は立川志らく宗匠で、志らくさんのハーモニカのライブ演奏が素晴らしく良かった。 極楽亭俳句会の季語は「音楽」。 「音楽や呼吸になりて残りけり」(志…

三村明と『姿三四郎』

13日、「生誕100年 黒澤明監督特集」が映像文化ライブラリーで始まった。 《2010年は、黒澤明監督の生誕100年でした。これにちなんで、今月から三カ月にわたって黒澤明監督の特集を開催し、今もなお輝きを失わず、映画の魅力を私たちに伝えてく…

「転々多田道太郎」

一月六日は、二十四節気のひとつ小寒であった。 暦のうえでは寒の入りである。一年中でもっとも寒さの厳しい時期であるが、枇杷の花が咲いていた。色は白で余り目立たない。 蕪村の句に、「枇杷(びは)の花(はな)鳥もすさめず日くれたり」。安永四年十一…

チェコ・アニメと「1968年文化論」

7日、「アート・アニメーション特集」が映像文化ライブラリーで始まる。 今年初めて観る映画はアニメーション映画で、ルネ・ラルー監督『ファンタスティック・プラネット』(1973年、フランス、チェコスロバキア、72分、カラー)を観た。夜の部で観客…

「しぐさ」と俳句

新春の雑誌からの覚え書き。 『文学界』2011年1月号、新春特別インタビュー・鶴見俊輔「二〇一一年を生きる君たちへ」で、鶴見氏が面白いことを語っている。 だけど、言語だけが問題ではない。言語の前に「しぐさ」がある。この問題を我々の中に導き入…

『細香日記』のこと

昨年(2010年)12月に、二週にわたって毎日新聞の今週の本棚に、《書評執筆陣が選ぶ年末恒例の「この3冊」》が掲載されていた。 鶴見俊輔著『言い残しておくこと』(作品社)(井波律子氏・選) 丸谷才一著、聞き手・湯川豊『文学のレッスン』(新潮…

雑煮は丸餅で

新年明けましておめでとうございます! 本年もよろしくお願いします。 穏やかな元旦の朝を迎えた。寒気団が南下して、早朝の気温は1℃。快晴で青空が広がり、陽射しは強い。 わたしのところの雑煮は丸餅で牡蠣と三つ葉が入っている。焼かないで煮た餅である…