対談2

f:id:kurisu2:20200922143543j:plain

 秋の風が吹いている。心地よく乾いた風だ。山野草の実が色づいて宝石のように輝いていた。つる性の植物である。

 対談 「稲垣足穂に会ったころ」矢川澄子荒俣宏

 前回の「対談」のつづきになります。

荒俣 一九〇〇年頃に生まれた人というのは、僕が知っている中じゃ、平井呈一という人が一九〇二年かそのぐらい。やっぱりハイカラなんですよ。和服しか着てないんだけれども、ハイカラ。それでいて日本の伝統文化が体にしみこんでいるんですね。日本のことは知識の対象じゃなく、日常の対象だから、わざわざ勉強するようなものではないんですね。だけれども、意識としては西洋に関心が向いている。

 あの世代の人達は、世界全体でいっても世紀末から生きはじめたグループだから、一つの共通したインターナショナルな意識や認識を持った人々ですね。未来派ってだいたいインターナショナルなところがありますからね。そういう意味では二十世紀の子供たちですね(笑) 

矢川 なんかバックボーンが凛としている、という感じを持ちますけど・・・・・・。

 

 

 

対談

f:id:kurisu2:20200920162615j:plain

 もうすぐ秋分の日。暑さ寒さも彼岸まで。吹く風が秋の深まりを感じさせる。

 紅紫色のハギの花が満開だ。

マメ科の落葉低木。山野に自生し、枝はあまり垂れない。葉は三枚の楕円形の小葉からなる複葉。秋、紅紫色蝶形の花が咲く。庭木にする。  『大辞泉

 本の整理をしていたら、「ちくま」10月号が出てきた。

 特集・稲垣足穂全集

 対談 「稲垣足穂に会ったころ」矢川澄子荒俣宏

 「タルホの葉巻箱」吉田篤弘

 上記の二篇を読んだ。

矢川 稲垣さんも、たまたまわたしの父もちょうど同じ年の生まれなんです。一九〇〇年。

荒俣 ジャストなんだ。ちょうど百年。

矢川 尾崎翠が、一八九六年。一八九七年が野溝七生子さん。だいたい同時代です。漢文脈と横文字が両方入っているのよ、あの世代には。

 野溝七生子なんて、兄たちの漢文の素読の声をききながら育ったそうですもの。うちの父親も、ハレー彗星にふたたびめぐり逢えるか、こだわったりして。

  

 

 申し遅れましたが、上記の対談は、「ちくま」2000年10月号に所収の対談からの引用であります。

唯の野に唯の森あり秋新た

 朝晩が涼しくなる。秋新た。青空を背にして花梨(かりん)の実が鈴なりだ。卵円形で黄緑色をしてる。まだ熟してはいないようだ。表面はきれいでつるつるしている。実はカチカチに硬い。

f:id:kurisu2:20200914161250j:plain

 「唯の野に唯の森あり秋新た

 松本たかしの俳句で、昭和十三年(1938年)の句です。

 前書きは、「武蔵国分寺」とあります。

 

「待つ」ということ

 9月4日金曜日、夜のラジオ番組で「高橋源一郎飛ぶ教室」を聴きました。

 「秘密の本棚」は、鷲田清一の「『待つ』ということ」という本をめぐる高橋さんの話で、50年前の高橋さんの思い出に、人を「待つ」という体験談も語られました。鷲田清一さんの臨床哲学での待つということにも触れられていましたね。耳で聞く書評でありました。

https://www.nhk.or.jp/radio/player/ondemand.html?p=6324_01_1619617

 

「待つ」ということ (角川選書)

「待つ」ということ (角川選書)

 

 

 

 

新刊案内から

 猛暑の日々を、夾竹桃の紅色の花が咲きつづけている。 

f:id:kurisu2:20200903163643j:plain

キョウチクトウ科の常緑低木。株立ちとなり、葉は竹に似て、三枚が輪生。乳液に毒がある。夏、紅色の花を開く。花は先の五裂する筒形であるが、八重咲きが多く、白色・淡黄色などもある。インドの原産。  『大辞泉

  「波」9月号の新刊案内に、古井由吉著『われもまた天に』が28日発売とあった。

 《現代日本文学をはるかに照らす作家、最後の小説集。》

  「編集長から」のページに、「新潮」10月号の黒川創氏の「ウィーン近郊」(二〇〇枚)について、編集長・矢野優氏が書いている。《ひとりの死者をめぐる、残された者たちの物語だ。舞台はウィーン。》

 黒川創氏の成熟した筆致に目を瞠った。という。

 https://www.shinchosha.co.jp/shincho/tachiyomi/20200907_1.html

われもまた天に

われもまた天に

  • 作者:古井 由吉
  • 発売日: 2020/09/28
  • メディア: 単行本
 

 

PR誌から

 ツバキの実が、やや色づきはじめていました。常緑樹で葉に艶があります。

f:id:kurisu2:20200829164504j:plain

 先日、講談社のPR誌「本」9月号を入手し、新刊エッセイを見ると、四方田犬彦の「愚かしさとは何か?」が掲載されていました。冒頭に、《このたびわたしが上梓する『愚行の賦』は、愚かしさについて書いた本である。》とあり、本書は《実をいうと本書は三部作の第二部である。第一部『摩滅の賦』は、二〇〇三年に筑摩書房から刊行された。世界中に存在している物体が、時間の経過とともに磨り減って劣化していくありさまについて書いた本である。》という。
 《今回の『愚行の賦』はそれに対し、徹底して人間界のことを描いている。》ようだ。

 「本」9月号の出版案内によると、
 

愚かしさとは人間の本質なのか。フローベールドストエフスキーニーチェ、バルト、そして谷崎潤一郎。「愚」という尊き徳をめぐる長篇論考。

 

 

愚行の賦

愚行の賦

 

 

カツベンっておもしろい!

 イチョウの木の実が見られる季節になった。下から眺めると丸い形をしている。実は薄く色づきはじめていた。

 

f:id:kurisu2:20200820171256j:plain

イチョウ科の裸子植物。一科一種。落葉高木で、高さ約三〇メートルに達する。葉は扇形で中央に裂け目があり、秋に黄葉する。雌雄異株。春、葉の付け根に、尾のような雄花、柄のある二個の胚珠(はいしゅ)をもつ雌花をつけ、四月ごろ受粉し、九月ごろ精子によって受精が行われる。果実は丸く、外種皮は熟すと黄橙 (おうとう) 色で、内種皮は白い殻となって種子を包む。種子は銀杏(ぎんなん)とよばれ、食用。幹や枝から気根を垂らすことがあり、乳(ちち)の木ともいう。中国の原産で、盆栽や街路樹に多用され、材は碁盤・将棋盤などに使われる。  『大辞泉

 

 

 大辞泉の引用句は、「銀杏散る遠くに風の音すれば」富安風生。

 この夏の読書で楽しめた本に、佐々木亜希子著『カツベンっておもしろい!』がありました。映画のカツベンをされている活動弁士佐々木亜希子さんの新刊です。これまで活弁映画鑑賞会で、佐々木さんのカツベンを楽しんでいました。この本では、活動弁士になろうとした経緯(いきさつ)や師匠の活動弁士澤登翠さんについても書かれています。
 佐々木亜希子さんのカツベンで鑑賞した作品で面白かったのは、

 

 小津安二郎監督の映画『東京の合唱(コーラス)』(1931年、松竹キネマ) 

 フレッド・ニューメイヤーサム・テイラー監督の『ロイドの要心無用』(1923年)
 バスター・キートン、ジャック・ブライストン監督の『荒武者キートン』(1923年)
 アルバート・パーカー監督の映画『ダグラスの海賊』(1926年)
 バスター・キートン監督の映画『キートン将軍』(1926年)
 ルパート・ジュリアン監督の映画『オペラの怪人』(1925年)
 五所平之助監督の映画『伊豆の踊子』(1933年、松竹キネマ)

 

カツベンっておもしろい!  現代に生きるエンターテインメント「活弁」

カツベンっておもしろい! 現代に生きるエンターテインメント「活弁」

  • 作者:佐々木亜希子
  • 発売日: 2019/12/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)