『吉田健一ふたたび』を読む

川本直/樫原辰郎編『吉田健一ふたたび』を読む。

口絵1ページから5ページまでの写真は樫原辰郎氏の撮影によるものだ。

四ページにわたって、書斎の写真が見られる。

愛用していたスミス・コロナ社のタイプライター。これは、英文を打つためのタイプライター。

仕事机の左手に灰皿、右手にペン。

撮影者の樫原さんが机に残されている本について、次のようにキャプション(説明)をつけている。

《吉田が生涯の最後に読んでいた本だろうか。アンドレ・ティシエという研究家による中世フランスのファルス(笑劇)の研究書らしい。》

本棚の写真についての説明文。

《吉田の本棚。丸谷才一の著作が見える。》

この写真の本棚にかろうじて『横しぐれ』と『たった一人の反乱』が確認できる。

 

吉田健一ふたたび

吉田健一ふたたび

 

 

復刻掲載・特別対談

ユリイカ」5月臨時増刊号が橋本治特集号であった。

他にも雑誌各誌が追悼・特集をしている。

新潮社のサイトで、浅田彰橋本治の「新潮」2007年8月号の対談を読んだ。

橋本治浅田彰の両氏の談話が興味深く面白い。「Webでも考える人」 編集長・松村正樹さんによると、

《浅田さんが『ひらがな日本美術史』という仕事を高く評価していたことから実現したもので、活字になった二人の対談はこれ一回のみです。二人の大ファンである私にとって、この対談は夢のような時間でした。今回、浅田彰さん、橋本治さんご遺族のご厚意により、この「新潮」掲載版の対談を復刻掲載いたします。》kangaeruhito.jp

 

 

すごい古書店変な図書館

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サツキ(五月)の花が咲きはじめています。ツツジの花より小ぶりですね。葉も小さく艶(つや)があります。雄しべが五本、先が上向きになっている。

ツツジ科の常緑低木。関東以西の河岸の岩上などに自生。初夏、枝先に紅紫色の花をつける。観賞用で、多くの園芸品種がある。さつきつつじ。  『大辞泉

  「ちくま」5月号の連載「絶滅危惧個人商店」(井上理津子)を毎回、注目しています。4月号は吉祥寺の「ウエスタン」、ジーンズショップのお店。今月号は杉並区西荻窪の時計眼鏡店です。井上さんの探訪記。聞き書きをしています。

 井上理津子さんの『すごい古書店変な図書館』という新書も面白かったです。

 

すごい古書店 変な図書館 (祥伝社新書)

すごい古書店 変な図書館 (祥伝社新書)

 

 

 

イロハカエデと『女給』のこと

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晴れる。最高気温23℃、最低気温14℃。

イロハカエデが風に吹かれてゆれている。

イロハカエデの実のプロペラ状の羽が紅色に色づいていた。

カエデ科の落葉高木。関東以西の山地に自生。葉は手のひら状に五~七つに裂け、秋に紅葉する。花は春につけ、暗紅色。名は、葉の裂け目を「いろはにほへと」と数えたことによる。庭によく植え、材は建築・器具用。たかおかえで。いろはもみじ。  『大辞泉

「波」5月号の新連載小説で、バリー・ユアグローの「オヤジギャグの華」を読む。

柴田元幸・訳。

川本三郎さんの「荷風の昭和」が、「波」に連載されています。今月号は第十二回になります。「カフェ通い」と題してカフェをめぐる話があります。明治のビアホール廃(すた)れて、大正になるとカフェがこれにかわったという。

 昭和四年に中央公論社から出版された今和次郎の『新版 大東京案内』によれば、当時、東京にはカフェは六千百八十七軒、女給は一万三千八百四十九人いたという。東京の人口が二百万人ほどの時代である。(中略)

 広津和郎が、タイガーの女給をモデルに「婦人公論」に『女給』を書くのは昭和五年から七年にかけて。モデルになった女給は菊池寛に可愛がられた女給で、広津和郎は彼女から話を聞き、この小説を書いた(ために、菊池寛とのあいだにトラブルが起きる)。(中略)

 小夜子は関口のカフェで仕事に慣れ、そのあと銀座へと出る。『女給』は大評判になり、昭和六年には帝キネによって映画化された。曾根純三監督、水原玲子主演。  116ページ

水原玲子といえば、久米正雄の小説『月よりの使者』を映画化した昭和九年(1934年)田坂具隆監督の映画『月よりの使者』に、入江たか子と共演しています。

アヤメの花と対談のこと

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雷雨が正午ごろにあった。雨上がりは植物がみずみずしい。

紫色のアヤメが満開になっています。葉は細長い。

アヤメ科アヤメ属の多年草。日当たりのよい乾燥した草地に生える。高さ三〇~六〇センチ。葉は細長く剣状。初夏、花茎の先に、付け根に網目模様のある紫または白色の花を開く。多くの栽培品種がある。アヤメ属には、カキツバタ・シャガなども含まれる。古来、アヤメと呼んだショウブはサトイモ科。 デジタル『大辞泉

 「フリースタイル」42を読んだ。冒頭の矢作俊彦筒井康隆へのインタビュー(対談)は興味津々(しんしん)の文学談義。 出版界の時代の推移も語っている。雑誌の発行点数や部数の減少。作家の一枚当たりの原稿料の話もある。筒井さんの同世代の作家への辛らつな話が展開される。 

フリースタイル42 筒井康隆インタビュー by 矢作俊彦
 

 

すがすがし薄色つつじセルの人

 ヒラドツツジ(平戸つつじ)が、今ちょうど満開だ。四月から五月に咲く。ゴールデンウィークの花と呼ばれているようだ。ツツジツツジ属。花が大きく、密集して咲いている。

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すがすがし薄色つつじセルの人

松本たかしの昭和十三年(1938年)の句です。

セルの人とは、和服を着た人でしょうか。

 

古庫のかたへの実梅(うめ)を今もげる

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最高気温24℃、最低気温17℃。曇り。

梅の実が膨らんできています。

バラ科の落葉高木。葉は卵形で縁に細かいぎざぎざがある。早春、葉より先に、白・淡紅・紅色などの香りの強い花を開く。実は球形で、六月ごろ黄熟し、酸味がある。未熟なものは漢方で烏梅(うばい)といい薬用に、また梅干し・梅酒などに用いる。  『大辞泉

蛇苺鎖大師へ詣でけり

古庫のかたへの実梅(うめ)を今もげる

松本たかしの昭和十二年(1937年)の句です。

前書きが、「手広、鎖大師 二句」とあります。