伊野孝行・南伸坊著「いい絵だな」を読んだ。
西洋絵画の技法の秘密をめぐる興味深い対談であった。
デイヴィッド・ホックニーの「秘密の知識」という本で、ホックニーが解明してるという。もう一冊は、デイヴィッド・ホックニーの「はじめての絵画の歴史」という本である。
青幻舎の本です。
いい絵だな / 伊野 孝行/南 伸坊【著】 - 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア (kinokuniya.co.jp)
映像と音楽の共演、「サウンド・アンド・サイレント」の上映会で、サイレント映画伴奏者・柳下美恵さんのピアノによる映画を観る。
ルネ・ルプランス監督の映画「花の奇蹟 Miracle des fleurs」(1912年、13分、彩色版、サイレント、35ミリ、日本語字幕)
ヘンリー小谷監督の映画「黎(あ)け行く村」(1927年、都商会、39分、染色版、サイレント、35ミリ)
賀古残夢監督の映画「小羊」(1923年、松竹キネマ蒲田、53分、染色版、サイレント、35ミリ)
一本目は、
コメディア・デラルテのキャラクターによるパントマイム劇。コロンビーヌに恋するピエロは、愛の証に彼女に花束を捧げるが、ピエロの恋敵がコロンビーヌを誘惑し・・・。(チラシより)
画面を色分けして着色した映像が美しい。
二本目は、
広島市出身で、ハリウッド流の撮影技術を日本にもたらした映画人の一人であるヘンリー小谷の監督作品。農村の振興と兄弟愛をからめた物語で、夜のシーンが青色で描写されるなど、染色の画面をとどめたフィルム。(チラシより)
三本目は、
大学生と女優、牧場の娘の3人をめぐる恋愛メロドラマ。
北海道が舞台になっている。
出演は、諸口十九、川田芳子、英百合子、勝見庸太郎。
大正12年に公開された、百年前の映画である。
岩波書店のPR誌「図書」8月号を書店で頂く。
今月号の巻頭の「読む人・書く人・作る人」で、「私の伯父さん」(高草木光一)を読んだ。
新刊の『鶴見俊輔 混沌の哲学――アカデミズムを超えて』という本の著者である。「私の伯父さん」で筆者は、母方の伯父について書いている。
一部引用すると、
戦時中は徴兵されたものの、しばしば激しい神経痛の発作に見舞われ、多くの時間をベッドの上で過ごした。戦闘には一度も加わらなかった。神経痛は、今は知らず、当時は他覚的な検査方法がなく、医師は患者の主訴に従うほかなかった。敗戦後に病は突如寛解し、山ほどの物資を背負って帰って来た。
伯父は、終生「変人」として生きた。誰からも尊敬されることはなかった。しかし、鶴見のデモクラシー論を読み解いていくと、依怙地(えこじ)に自分のスタイルを守り通した伯父が、意外にも未来に向けて意味ある存在のように思えてくる。鶴見を通して、これまで慣れ親しんでいた風景が様変わりして見えてきた。