いい絵だな

 伊野孝行・南伸坊著「いい絵だな」を読んだ。

 西洋絵画の技法の秘密をめぐる興味深い対談であった。

 デイヴィッド・ホックニーの「秘密の知識」という本で、ホックニーが解明してるという。もう一冊は、デイヴィッド・ホックニーの「はじめての絵画の歴史」という本である。

 青幻舎の本です。

いい絵だな / 伊野 孝行/南 伸坊【著】 - 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア (kinokuniya.co.jp)

 

絵画の歴史 / ホックニー,デイヴィッド〈Hockney,David〉/ゲイフォード,マーティン【著】〈Gayford,Martin〉/木下 哲夫【訳】 - 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア (kinokuniya.co.jp)

 

 

 

 

林達夫のドラマトゥルギー

 曇りのち晴れる。最高気温33℃。最低気温24℃。

 涼しさを求めて、書店に寄った。

 平台に、「林達夫ドラマトゥルギー」という出たばかりの新刊本を見つける。

 手に取ってみた。

 平凡社からの新刊です。

 著者は鷲巣力氏。

 落合勝人著「林達夫 編集の精神」(岩波書店)につづく林達夫をめぐる本です。

 巻末の参考文献などを眺めていると、海老坂武「雑種文化のアイデンティティ」、中島健蔵「昭和時代」などがあった。

林達夫のドラマトゥルギ- / 鷲巣 力【著】 - 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア (kinokuniya.co.jp)

 

 

 

映画「眠るパリ」

 「サウンド・アンド・サイレント」映像と音楽の共演。

 フランスの古典作品を、鑑賞する。

 フランスから伝わったシターという楽器、シター奏者は白井朝香さん。 

 「リュミエールの実写集」1895~1896年、10分。

 ジョルジュ・メリエス監督「月世界旅行」1902年、11分。

 ルネ・クレール監督「眠るパリ」1923年、39分。日本語字幕。

 ある科学者が発明した光線で時間が停止したパリの街を舞台にした不思議な物語。エッフェル塔の高い所にいて光線を浴びなかった者らがエッフェル塔の高所で追っかけ回るドタバタハラハラドキドキ。上空から眺めるパリの街並みは、必見。

 

映画「ユーリメンバーミー」

 「ケベック映画特集」で、映画「ユーリメンバーミー」を観る。

 監督が、エリック・テシエ。

 2019年、カナダ、107分、カラー、Blu-ray、日本語字幕。

 主人公のエドワードは歴史教師を引退したが、記憶をしだいに失いはじめている。周りに世話をしてくれるひとがいないエドワードだったが、少女のべレニスが、世話をひきうけることになった。反抗的な少女だったのだが、彼女との対話で自分の過去の思い出の地を再訪するのだった。べレニスも自分の人生の意味を取り戻す。

 

 上映後に、来日中のエリック・テシエ監督のアフタートーク

 

 原題:Tu te souviendras de moi。

 

映画「ロイドの一番槍」

 ピアノの演奏付きで無声映画を鑑賞する。

 1927年の映画「ロイドの一番槍」である。

 アメリカ映画で、上映時間84分。Blu-ray、日本語字幕。

 作品提供:マツダ映画社

 ピアノの演奏が吉清彩香さん。

 西部の田舎町の保安官一家の三人の息子のうち、弱虫あつかいされていた末の弟が、父親の留守中に、サーカス団の公演を勝手に許可をだしてしまい、その後始末をめぐるてんてこまい騒動。ハラハラドキドキ面白い。

 ロイドの生誕130年。

 そして、ロイドの映画デビュー110年。

 世界の三大喜劇王の一人、ハロルド・ロイドの大活躍をピアノの伴奏で楽しむ。

 

映画「花の奇蹟」

 映像と音楽の共演、「サウンド・アンド・サイレント」の上映会で、サイレント映画伴奏者・柳下美恵さんのピアノによる映画を観る。

 ルネ・ルプランス監督の映画「花の奇蹟 Miracle des  fleurs」(1912年、13分、彩色版、サイレント、35ミリ、日本語字幕)

 ヘンリー小谷監督の映画「黎(あ)け行く村」(1927年、都商会、39分、染色版、サイレント、35ミリ)

 賀古残夢監督の映画「小羊」(1923年、松竹キネマ蒲田、53分、染色版、サイレント、35ミリ)

 一本目は、

 コメディア・デラルテのキャラクターによるパントマイム劇。コロンビーヌに恋するピエロは、愛の証に彼女に花束を捧げるが、ピエロの恋敵がコロンビーヌを誘惑し・・・。(チラシより)

 

 画面を色分けして着色した映像が美しい。

二本目は、

 広島市出身で、ハリウッド流の撮影技術を日本にもたらした映画人の一人であるヘンリー小谷の監督作品。農村の振興と兄弟愛をからめた物語で、夜のシーンが青色で描写されるなど、染色の画面をとどめたフィルム。(チラシより)

 三本目は、

 大学生と女優、牧場の娘の3人をめぐる恋愛メロドラマ。

 北海道が舞台になっている。

 出演は、諸口十九、川田芳子、英百合子、勝見庸太郎。

 大正12年に公開された、百年前の映画である。

 

 

鶴見俊輔 混沌の哲学

 岩波書店のPR誌「図書」8月号を書店で頂く。

 今月号の巻頭の「読む人・書く人・作る人」で、「私の伯父さん」(高草木光一)を読んだ。

 新刊の『鶴見俊輔  混沌の哲学――アカデミズムを超えて』という本の著者である。「私の伯父さん」で筆者は、母方の伯父について書いている。

 一部引用すると、

 戦時中は徴兵されたものの、しばしば激しい神経痛の発作に見舞われ、多くの時間をベッドの上で過ごした。戦闘には一度も加わらなかった。神経痛は、今は知らず、当時は他覚的な検査方法がなく、医師は患者の主訴に従うほかなかった。敗戦後に病は突如寛解し、山ほどの物資を背負って帰って来た。

 

 

伯父は、終生「変人」として生きた。誰からも尊敬されることはなかった。しかし、鶴見のデモクラシー論を読み解いていくと、依怙地(えこじ)に自分のスタイルを守り通した伯父が、意外にも未来に向けて意味ある存在のように思えてくる。鶴見を通して、これまで慣れ親しんでいた風景が様変わりして見えてきた。