2023-01-01から1年間の記事一覧

対談:ぼくらの個人史

梅雨の中休み、街路樹のヤマモモ(山桃)に、実が鈴なりで色付いてきた。 ヤマモモ科の常緑樹で、葉が長楕円形をしている。 小林信彦と片岡義男の対談集、『星条旗と青春と』を読む。 副題が、「対談:ぼくらの個人史」。 カバーそでに、 「アメリカが日本に…

汽車旅放浪記から

五月に公開された映画『銀河鉄道の父』を観た。監督は成島出。門井慶喜の小説『銀河鉄道の父』が原作の映画化作品である。 父を役所広司、賢治を菅田将暉、賢治の妹トシを森七菜、母を坂井真紀、弟の清六を豊田裕大、そして祖父を田中泯が演じている。 冒頭…

映画「ロシュフォールの恋人たち」

1月から3月にかけて月に一回、開催された「土曜日の映画館」は、 1月、トッド・ヘインズ監督の「キャロル」(2015年) 2月、ヤスミン・アフマド監督の「タレンタイム~優しい歌」(2009年) 3月、ジャック・ドゥミ監督の「ロシュフォールの恋人…

片隅に菖蒲花咲く門田かな

晴れた。最高気温24℃、最低気温11℃。湿度が低い。 菖蒲(アヤメ)の花が満開で、見頃になっていた。 アヤメ科アヤメ属の多年草。日当たりのよい乾燥した草地に生える。高さ三〇~六〇センチ。葉は細長く剣状。初夏、花茎の先に、付け根に網目模様のある…

映画「生きる LIVING」

オリヴァー・ハーマナス監督の映画「生きる LIVING」を観に出かける。 主演の俳優が、ビル・ナイである。 ウィリアム・ニコルソン監督の映画「幸せの答え合わせ」でのアネット・ベニングとビル・ナイの夫婦役の演技が強く印象に残っている。 映画「生きる LI…

映画の記憶2

「特集 佐藤忠男のベスト・ワン」の一本、鈴木清順監督の映画「陽炎座」(1981年、シネマ・プラセット、140分、カラー、35ミリ)を観る。 出演、松田優作、大楠道代、加賀まりこ、楠田枝里子、原田芳雄、中村嘉葎雄。 《時代が大正から昭和へ移り変…

映画の記憶

「特集 佐藤忠男のベスト・ワン」の一本、鈴木清順監督の映画「ツィゴイネルワイゼン」(1980年)を観た。 出演は原田芳雄、大谷直子、大楠道代、藤田敏八。 この年に公開された映画なのだったが、劇場ではなくて、パルコの前身のようなファッションビル…

「にがいコオフィ」

筑摩書房のPR誌「ちくま」2023年3月号を書店で頂く。 表紙と表紙裏の「ともだちのともだち」がヒグチユウコの連載である。 「些事にこだわり」(蓮實重彦)、「世の中ラボ」(斎藤美奈子)の連載がある。 「些事にこだわり」は大江健三郎の「にがいコ…

ゴダール特集号から

「ユリイカ」2023年1月臨時増刊号「総特集=ジャン=リュック・ゴダール」からの話題になるのだが、掲載されているひとつから「ゴダール回顧的断章」(中条省平)を読んだ。 気になった箇所から引用すると、 《ゴダールは、映画という表象の詐術そのも…

松籟の下紅梅は軒の花

快晴。最低気温が2℃で、最高気温は16℃。 気象台から春一番の発表があった。 梅の花が見頃を迎えているとのことで梅の名所を訪れた。満開の花びらに近づくと梅の好い香りが漂ってきた。園内はそぞろ歩きの人で行き交う光景が見られる。バラ科の落葉高木。 …

読書アンケート

みすず書房のPR誌「みすず」1・2月合併号の読書アンケートを手に取ってみた。 2023年8月号をもって休刊の予定とみすず書房からのお知らせがあった。 どんな本がアンケートにあるか眺めてみた。 山田稔氏の奈良有里『夕暮れに夜明けの歌をーー文学を探…

ラジオ千夜一話から

NHKラジオ深夜便に、「五木寛之のラジオ千夜一話」という放送番組があります。これまで多く対談をされている五木さんが、特別に印象に残っている対談が羽仁五郎さんとであったと話されていました。 そういえば、五木寛之の『箱舟の去ったあと』という対談…

映画「恋するアナイス」

フランス映画の現在 vol.04ジャン=マルク・ラランヌが選ぶ2020/2022ベストの一本。 ジャン=マルク・ラランヌによるセレクション(「レザンロキュプティーブル」編集長)企画協力・ジャン=マルク・ラランヌJean-Marc Lalanne。 シャルリーヌ・ブ…