2014-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「追悼、高倉健」を読む

「週刊文春」の小林信彦の連載「本音を申せば」で、「追悼、高倉健」を読む。 《一九六〇年代の東映経済を支えた〈健さん〉をぼくが積極的に観に行く気になったのは、内田吐夢監督の「宮本武蔵」シリーズにおける佐々木小次郎役であった。背が高くカラフルな…

諏訪哲史著『偏愛蔵書室』のこと

「新刊展望」12月号の「今月の主な新刊」からの覚え書き。 片岡義男著『歌謡曲が聞こえる』(新潮新書) 酒井順子著『オリーブの罠』(講談社現代新書) 永江朗著『「本が売れない」というけれど』(ポプラ新書) 諏訪哲史著『偏愛蔵書室』(国書刊行会) 池…

寒風や女子も猫族たるを得ず

小春日和がつづいていたが、時雨(しぐれ)る。最高気温18℃、最低気温12℃。 街路樹のトウカエデの葉が舞い散っていた。 桜のソメイヨシノが紅葉して鮮やかである。 、 中村草田男句集「来し方行方」を読む。 月桂樹叢 南(みんなみ)に冬日日ねもす北蒼…

ヒドリガモと長新太

冬の渡り鳥が群れていた。ヒドリガモの群れのようである。 鏡のような水面をなめらかに動いている。 長新太の絵本に、『トリとボク』という本があるのだが、トリの群れが動いてさまざまな形に変化して行く姿を描いている。形のファンタジー絵本。 ちょうど、…

鉄道ひとつばなし

22日は、二十四節気のひとつ小雪であった。 小雪とは、立冬の後と大雪(だいせつ)の間の節気である。 この時期は山茶花(さざんか)の花が咲き、北風が次第に強く吹く頃であるのだが、23日は最高気温20℃、最低気温11℃で晴れる。紅葉が見ごろだ。 「…

渋谷実監督の「正義派」

雑誌「一冊の本」2014年11月号の貴田庄の連載「志賀直哉、映画に行く」10が、映画「暗夜行路」の制作をめぐって書いている。 その中に渋谷実の映画「正義派」について言及している箇所があった。 「正義派」や「好人物の夫婦」の原作料についてはア…

山深し樫の葉落ちる紅葉散る

紅葉狩りの季節です。 「山深し樫の葉落ちる紅葉散る」 明治二十八年の正岡子規の俳句である。 この年、子規は三月三日東京を発(た)って、汽車にて大阪に向かう。 大阪に一泊して広島へ向かう。 三月十八日、松山に帰った。 二、三日を過ごし広島に戻る。 …

雀より鶯多き根岸哉

月刊『波』2014年11月号で、連載「子規の音」(森まゆみ)第十回「雀より鶯多き根岸哉」を読む。 《明治二十六年の正月を、正岡子規は母八重と妹律のいる根岸で迎えた。そのころは年賀状よりも近所や世話になったところに年始まりをしたもので、子規も…

「本と自由」

紅葉狩りに宮島へ行く。紅葉が美しく見ごろだった。 弁当を広げているといきなり鹿がやって来た。 帰りに横川駅近くの「本と自由」に寄る。コーヒーが飲める古書店である。 カウンターは四人くらい座れるが、満席だった。 明日から開かれるという古本市のチ…

「本という物」の魅力

鈴木成一著『デザイン室』(イースト・プレス)を読む。 本の装丁家である鈴木成一さんの装丁裏話が興味深く愉しめました。 本の装丁を今はパソコンで作るようになっているそうですが、パソコンのなかった当時は版下(はんした)という、印刷指定用の台紙に…

サルトリイバラと柏餅

曇り、最高気温18℃、最低気温が12℃。風がなくどんよりしている。 先日、サルトリイバラが蔓(つる)を伸ばした枝に赤い実をつけていた。 ユリ科の蔓性(つるせい)の落葉低木。高さ一〜二メートル。茎は節ごとに曲がり、とげがある。葉は卵円形。雌雄異…

散紅葉人なつかしく重なりて

4日、街路樹のイチョウの葉が黄葉していて華やかだ。 晴れて最低気温7℃、最高気温が17℃。空気が乾いている。 5日、十三夜の月が見事だった。旧暦の大変にめずらしい十三夜という。 7日は二十四節気のひとつ立冬である。快晴で風もなく。最高気温21℃…

追悼・赤瀬川原平さん2

「KAWADE夢ムック赤瀬川原平」という本が早くも出ました。 参照;http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309978482/ 初掲載・発掘座談会という赤瀬川原平×種村季弘×浅田彰の座談会が収録されています。 司会が松田哲夫。 「予は危険人物なり──外骨ワンダーラ…

追悼・赤瀬川原平さん

山茶花(サザンカ)の花が咲き始めていた。 花の形と紅色が見事だ。青空に紅色が映(は)える。 先日、赤瀬川原平氏の訃報を新聞で知る。 思い出しながら、氏について書いてみよう。 最初は、雑誌「美術手帖」で千円札をモチーフにした作品の裁判の記事で、…