ミミズバイの実と『悲劇の将軍』


 晴れる。最低気温6℃、最高気温19℃。
 歩き回ると汗ばむ陽気である。
 ハイノキ科の植物、ミミズバイの実が鈴なりになっている。艶(つや)のない黒っぽい色だ。葉は細長い形をしている。
 ハイノキについて、

 ハイノキ科の常緑高木。山地に自生。葉は細長い楕円形。五月ごろ、白い花をつけ、花びらは五つに裂けている。実は熟すと黒紫になり、狭卵形。葉から良質の灰汁(あく)ができ、媒染染料(ばいせんせんりょう)の染色に使用。とちしば。そめしば。  『大辞泉

 
 今日出海の『悲劇の将軍』(中公文庫)を読了。
 1月から読み始めて電車の中で読み終えた。植草甚一の「小説は電車で読もう」である。
 昨年の夏に、今日出海の「山中放浪」を読む。昭和十七年と昭和二十年のマニラの日本軍の現地での状態の雲泥の差を記している。
 『悲劇の将軍』は六編の作品を収録している。
 どれも読ませ、今日出海の作品を堪能した。