天あをく枯無花果に雪こぼす


 イチジクが熟して暗紫色になっていた。まだ食べごろである。

 「無花果にゐて蛇の舌みえがたし
 昭和十三年(1938年)の句で、飯田蛇笏の「山響集」にある。

 「無花果の門の格子や水を打つ
 「山廬集」にある明治四十年の句である。

 「天あをく枯無花果に雪こぼす」昭和十七年の句だ。

 冬のよく晴れた青空の日に、葉の落ちた無花果の木がある。枝に雪が積もっている。
 陽射しが当たる枝から雪がこぼれるように落ちるのが見えた。


 雑誌「波」2014年11月号で、五木寛之の「親鸞の森に投じられた剛速球」というタイトルの書評に注目する。
 新刊の梅原猛著『親鸞「四つの謎」を解く』についての書評である。

 4月に、田坂具隆監督の映画『親鸞』(1960年、東映京都、147分、カラー)と映画『続 親鸞』(1960年、東映京都、127分、カラー)を観た。
 吉川英治の原作を映画化した映画で、親鸞の青春時代を描いている。
 月輪兼実の娘・玉日姫(たまひひめ)と出会い、親鸞の結婚までを描いているのだが、映画は大変に面白く興味深かった。

親鸞「四つの謎」を解く

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