ねぎ坊主と「道具屋」

ねぎ坊主

 ねぎ畑に白い花が咲いていた。花は密生して球状のねぎ坊主である。

 ユリ科多年草。葉は太い管状で先がとがり、中に粘液を含む。初夏、管状の花茎を出し、先にねぎ坊主とよばれる白緑色の小花が球状に密生する。野菜として栽培され、葉の白い部分を食べるものを根深ネギ、緑の部分を食べるものを葉ネギともいう。シベリア・アルタイ地方の原産とされる。き。ながねぎ。 『大辞泉

 大阪のミナミの一角に日本橋(にっぽんばし)がある。電器関係の専門店街。鮮魚・青物・果物・乾物などの店が軒をならべる黒門市場
 「ワッハ上方」から南へ入ると「道具屋筋」のアーケード街がある。

 笑福亭仁鶴の落語「道具屋」を聴く。夜店出しの道具屋の佐兵衛の甥(おい)は、仕事せずにぶらぶらしているちょっと抜けているところのある男。
 それを見かねた佐兵衛は、自分の代わりに風呂敷に包んだ古いガラクタを持たせて甥に道具を売りに行かせる。
 地べたに座って、珍しい品物を見に来た客に火事場で拾ってきた鋸(のこ)、(木刀の)短刀を見せる。
 客との頓珍漢な問答を聞いていた隣の下駄屋が助言してくれる。
 ひやかしだけで帰る客をしょんべん。
 笛を見せた客が商品をいじくっていると指が抜けんようになる。抜けんようなったら買ってもらわな、と。
 佐兵衛の甥は客の足元を見て、高い値段を吹っかける。
 「そんな、人の足元を見るな」と笛に入れた指が抜けなくなった客が怒る。
 「いや、手元をみております」

上方落語特選(6)

上方落語特選(6)

1982年3月4日収録。