映画『火を噴く惑星』

火を噴く惑星

 「ロシア・ソビエト映画特集」で、パーヴェル・クルシャンツェフ監督の映画『火を噴く惑星』(1961年、83分、カラー)が上映される。
 レトロ感のある宇宙冒険SF映画である。
 出演は、ウラジーミル・エメリヤノフ、ゲオルギー・ジジョーノフ、ゲンナージ・ヴェルノフ。
 「ロシア・ソビエト映画特集」のパンフレットに、
 金星探査に向かった有人宇宙船が金星に不時着し、予想外のアクシデントで地球への帰還が危うくなる・・・。ソビエトで初めて金星を舞台に描かれたSF作品。
 金星に向かっていた有人宇宙船、シリウス、ヴェガ、カペラ号のうち、カペラ号が隕石にやられて爆発分解してしまった。救援の宇宙船が来るまで四ヶ月もかかるので、残ったシリウス、ヴェガの乗組員でソビエトの国家の威信をかけて、計画通りに金星探査に突き進むのだった。
 金星の上空に残るのはヴェガ号で、女性隊員が残って探査隊の帰還を待つことになった。*1
 まず先遣隊が二名とアメリカ製の二足歩行ロボットとが小型船で着地し、シリウス号へ着地点を知らせるが、シリウス号は目標地点から離れて不時着した。
 先遣隊はロボットと共に歩いて、シリウス号の仲間と合流しようとする。
 一方のシリウス号の隊員は隊長を含めて三人で、水陸両用のホバークラフトに乗って先遣隊を探して回る。
 先遣隊は、金星で突如二足歩行するゴジラのような生き物に襲われたり、巨大な恐竜を目撃したりと、驚くべき生き物と遭遇する。
 ホバークラフトが飛行していると翼竜のような空飛ぶ生き物に襲われる。銃撃して撃退する。 
 海底に潜り金星に昔高度に発達した文明の痕跡を発見したり、海岸で寒さをしのぐために焚き火をしたり、まるで地球のような金星なのだ。
 巨大な恐竜の尻尾から血液を採取する。
 先遣隊は火山の噴火で溶岩に取り囲まれ、ロボットに抱えられているところをホーバークラフトでやって来たシリウス号でやって来た仲間に助けられた。
 ロボットは人間と対話することができて有能で、金星のウィルスで熱が出た隊員に薬の錠剤を出してきて飲ませることもできる。
 だが、隊員を助けて溶岩に取り囲まれたロボットは、ついに溶岩に飲み込まれた。
 全員がシリウス号に乗り込むと溶岩から危機一髪で脱出し、上空を旋回しているヴェガ号へ向かうのだった。*2
 

*1:女性隊員が自分の声を録音する録音機がオープン・リールの録音機。

*2:参考までに、ラストのクレジットに、『火を噴く惑星』の字幕・翻訳が米原万里。日本公開1989年6月。