蛙と芭蕉密偵説


 曇り、最高気温25℃、最低気温18℃。
 公園の池に蛙が姿を見せている。
 先日からは、糸トンボも池に現れた。ハスの葉の縁(ふち)にいた。

 『波』2014年5月号の連載、嵐山光三郎の「芭蕉という修羅」第14回は「古池に蛙飛びこむ、二十番勝負(前篇)」である。
 4月号の第13回は「風狂の迷路をめざして」と題して第二次芭蕉庵について述べているのだが、芭蕉が伊奈代官家の諜報組織にいたとする説の光田和伸著『芭蕉めざめる』に言及していた。
 嵐山さんは2006年に光田氏に姫路で芭蕉について講演したときにはじめて会ったという。
 その要点を引用する。
 光田氏は、伊奈代官家は藤堂家と親しく、御用屋敷のなかに幕府隠密養成所を作り、儒者(じゅしゃ)である素堂は代官養成課程の教官で芭蕉も同じく代官養成所で俳諧を教えていたのではないかと推理した。その論は説得力があった。帰京すると芭蕉研究家の村松友次氏に会って芭蕉諜報機関説を話しあった。村松氏は以前より芭蕉密偵説を書いていた。  4月号、54〜55ページ

芭蕉めざめる

芭蕉めざめる