青草と『芭蕉めざめる』

 元禄二年三月二十日に江戸、深川から旅立ち、同年八月二十一日に芭蕉の大垣到着をもって終わったとされる『奥の細道』の旅。
 三月二十日というのは、西暦なら一六八九年五月九日にあたるという。
 ちょうど今頃の爽やかな季節に五ヵ月にわたる「陸奥(みちのく)」へ、「未知の国」へ芭蕉は旅立ったのだった。
 その芭蕉のこれほどの大旅行の計画の裏に見えてくる、ある組織の存在と芭蕉曽良の関係などをめぐって歴史探偵さながらに筆を運ぶ、光田和伸著『芭蕉めざめる』(青草書房)を読みはじめている。
 青草書房とは、青草の匂いが立つような名前の版元ですが、発起人の一人に杉本秀太郎さんが名を連ねているのですね。
 杉本さんの「ひっつき虫」ではないですが、この本も「ひっつき虫」になるような気がするのでした。
参照:「青草書房」http://seisoushobou.com/book/nonfiction/aaiacioaae/
芭蕉めざめる