「図書」8月号から

 ザクロの木に果実が鈴なりになっていた。葉はつやつやとした光沢がある。ザクロの実をさわると硬い。

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 「図書」8月号に連載が始まった、四方田犬彦の「虚言の文学者」(大泉黒石ーー1)を読んだ。四方田犬彦著『月島物語』で大泉黒石について書かれていたのをまず思い出した。
 大泉黒石の息子が俳優の大泉滉(あきら)で、成瀬巳喜男監督の映画『めし』(1951年)、小津安二郎監督の映画『お早よう』(1959年)、中村登監督の映画『集金旅行』(1957年)、木下惠介監督の映画『破れ太鼓』(1949年)、溝口健二監督の映画『西鶴一代女』(1952年)に出演している。

参照:https://1000ya.isis.ne.jp/0173.html

 

月島物語 (集英社文庫)

月島物語 (集英社文庫)

 

 

 

月島物語ふたたび

月島物語ふたたび

 

 

湯煙の中なる蝉に法師蝉

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 街路樹のオリーブの木に、くすんだ黄緑色の果実が鈴なりになっていた。二センチほどの大きさで、葉は細長く、実をさわると硬い。

 モクセイ科の常緑高木。高さ七~一八メートル。葉は細長く、表面が暗緑色、裏面が銀色で、対生する。五~七月ごろ、黄白色の香りのよい花を総状につける。黄緑色の実は熟すると黒紫色になり、油がとれる。地中海地方の原産で、日本では小豆(しょうど)島などで栽培。  『大辞泉

 「湯煙の中なる蝉に法師蝉」
 中村汀女の昭和二十二年(1947年)の俳句です。
 「八月一日、別府丹生家に滞在、夫人と松浦氏と温泉巡りす」という前書きがある。

おはぐろの舞ふとも知らで舞ひ出でし

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 先日、公園の池にショウジョウトンボや蝶トンボを見つけた。ショウジョウトンボはハスのつぼみにとまっていて、吹く風にゆーらゆーらと静かに風にゆられていた。チョウトンボは近くに寄っても逃げる気配がない。観察のため接近することができた。チョウトンボは危険を察して飛び上がる時に、五メートルほどの高度に飛び上がる。水平への移動でなく垂直方向へ急速に上昇した。

 「おはぐろの舞ふとも知らで舞ひ出でし」

 「雨近し揚羽にはかに飛びちがひ」

 中村汀女の昭和二十二年(1947年)の俳句です。

「ちくま」7月号から

 筑摩書房のPR誌「ちくま」7月号の新刊案内で、ちくま文庫濱田研吾著『俳優と戦争と活字と』に注目しました。徳川夢声著『夢声戦中日記』(中公文庫)という本の解説が濱田研吾氏。昭和十七年五月、徳川夢声は芝居の巡業に東京から九州へ向った。その一行に丸山章治、中村メイコ、中村チエコ、清水ミサ子が同行している。さて、『俳優と戦争と活字と』ではどのような資料から読み解いていくのでありましょうか。

https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784480436832

 

俳優と戦争と活字と (ちくま文庫)

俳優と戦争と活字と (ちくま文庫)

  • 作者:濵田 研吾
  • 発売日: 2020/07/10
  • メディア: 文庫
 

 

 

夢声戦中日記 (中公文庫プレミアム)

夢声戦中日記 (中公文庫プレミアム)

  • 作者:徳川 夢声
  • 発売日: 2015/08/22
  • メディア: 文庫
 

 

「ちくまさん」

 筑摩書房のPR誌「ちくま」8月号の新刊案内を見ると、西村ツチカさんの「ちくまさん」が、書籍化されるという案内がありました。《ちくまさんは、ちょっぴりドジだけど勤労意欲溢れるナイスレディ。PR誌「ちくま」の表紙と表2を飾った好評連載がオールカラーで待望の書籍化!》

 「ちくま」誌に連載中、西村ツチカさんのマンガは毎回楽しみでした。

「そもそもオリンピック」

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 スズキコージ「そもそもオリンピック」原画展をgallery Gにて観る。アーサー・ビナード作、スズキコージ絵による絵本の原画が展示されていました。絵本の原画を見ると、そもそも近代オリンピックとはどのようにしてはじまったのか、その辺の事情にもふれて、絵が描かれていました。

 

https://youtu.be/RybPqtrvkoc

そもそもオリンピック

そもそもオリンピック

 

 

 

「満月雑記帳」から

 梅雨の中休み、ハスが開花の季節を迎えている。白い花弁の中心に花托が見られます。

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 「サンデー毎日」の七月十九日号の中野翠の「満月雑記帳」に、
 《前号で、今年一月十三日に急逝した坪内祐三さんの著作集『本の雑誌坪内祐三』(本の雑誌社)が出版されたと手短に紹介したが、今年は『みんなみんな逝ってしまった、けれど文学は死なない。』(幻戯書房)と題した坪内さんの文学関連の評論集というかコラム集が出版された。没後、こんなに早く次々と遺稿集が出版されるは珍しいのでは? 坪内さんの旺盛な仕事ぶりにあらためて驚かされる。頭がさがる。
 今回の『みんなみんな逝ってしまった、けれど文学は死なない。』に収録されたコラムの巻頭におさめられたのは、「福田恒存(つねあり)・・・・・・嫉妬心がない保守思想家」と題した三ページ程のエッセイ―。その中で、坪内さんは「私にとって師と呼べるのは、学校とは別の場所で出会った二人の人しかいない。福田恒存山口昌男だ」と書いている。》

 

 

本の雑誌の坪内祐三

本の雑誌の坪内祐三

  • 作者:坪内祐三
  • 発売日: 2020/06/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)