湯煙の中なる蝉に法師蝉

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 街路樹のオリーブの木に、くすんだ黄緑色の果実が鈴なりになっていた。二センチほどの大きさで、葉は細長く、実をさわると硬い。

 モクセイ科の常緑高木。高さ七~一八メートル。葉は細長く、表面が暗緑色、裏面が銀色で、対生する。五~七月ごろ、黄白色の香りのよい花を総状につける。黄緑色の実は熟すると黒紫色になり、油がとれる。地中海地方の原産で、日本では小豆(しょうど)島などで栽培。  『大辞泉

 「湯煙の中なる蝉に法師蝉」
 中村汀女の昭和二十二年(1947年)の俳句です。
 「八月一日、別府丹生家に滞在、夫人と松浦氏と温泉巡りす」という前書きがある。