空蝉とウナギの蒲焼き

セミの抜け殻

 あれほど鳴いていたセミの声が、正午前になるとピタリと静かになる。不思議なほどだ。彼らの体内になにかそれを感知するセンサーがあるかのようだ。鳴く時はみんなでいっせいに鳴き続ける。やめる時はみんなでピタリとやめる。判で押したような行動。昆虫の世界は謎が多い。

 セミの抜け殻を空蝉(うつせみ)という。

 土用の丑(うし)の日には暑気ばらいにウナギの蒲焼きを食べる。