百日紅と杉浦日向子さん

百日紅の花

 朝のまだ涼しい風に吹かれて、ムラサキ色や白に赤が混じった模様のアサガオが咲いていた。
 クマゼミアブラゼミが鳴きはじめて、正午前に鳴きやんだ。
 午後遅く、夏至に訪れた公園の池へ寄り道した。
 ハスと睡蓮(すいれん)のはえている池なのだが、ハスの葉や茎が伸びてひと回り大きくなっている。ハスの花のつぼみが、あちらこちらに見える。
 池の周囲は放送機器を積んだ車両から電気コードを地面に、はわせたりしている。
 そばに大きなパラボラアンテナが置かれていた。
水面を眺めると、蛙(かえる)がいた。トノサマガエルだ。大きいのが一匹、小さいのが一匹。睡蓮の葉の上に大きいのがじっとしている。小さいのはコンクリートの縁に座っていた。
 池のまわりをぐるりと歩くと、赤トンボがハスの小さい葉にとまっていた。風にハスの葉が揺れる。ハスにつかまっている赤トンボも一緒に気持良さそうに(?)揺れている。
 百日紅の木に花が満開だ。百日紅は池の近くにイチョウの木と並んではえている。


 百日紅といえば、先日亡くなった杉浦日向子さんが思い出される。
 ガロでデビューした杉浦日向子。そのガロ1980年11月号には荒木経惟の写真も連載されていたし、鈴木翁二の「こくう物語」が連載されていたり、古川益三がマンガを描いていたりした。表紙は永島慎二でピエロの絵。永島さんも亡くなられた。合掌。
 この頃は、まだ渡辺和博がガロを編集していたのだった。渡辺さんの編集の最後のころになるガロで、杉浦日向子さんはデビューしたんだなあ。『通言室之梅』。
 ガロのこの号の前後を数十冊、杉浦さんと同年になる人から、引越しで処分に困っているからあげるといわれてもらったが、いまだに持っている。その人の名前を仮にHさんと名づけておく。Hさん、その節はありがとう。