「植草さんの錬金術」のこと

ニガウリ

 早朝にニガウリを収穫する。大きさは、先日のニガウリとほぼ同じくらいだ。
 夕方、南南東に上弦の月が眺められた。晴れていて、きれいな半月である。
 昨夜、NHK教育テレビの「視点・論点」を観た。「“楢山節考”のこと」と題して、蜂飼耳がおりんの楢山へ向かう時の覚悟、思いにふれて語っているところだった。話の途中で、深沢七郎の『言わなければよかったのに日記』の文庫本を開いて、朗読する。

楢山節考」は、ちょっと、意外だった。残酷だといわれたのも意外だった。もっと意外なことは、何か、人生観というようなことまで聞かされたのは意外だった。あんなふうな年寄りの気持ちが好きで書いただけなのに、(変だな?)と思った。  「言わなければよかったのに日記」52ページ

 その後、NHKテレビの「SONGS」という番組で、杏里の歌を聴く。杏里が四十年ぶりに子供のころ父と供に訪れた江の島を再訪するシーンがあった。参道の食堂を訪ねて、回想する場面など。
 今夜は、平野甲賀の『僕の描き文字』(みすず書房)から「植草さんの錬金術」を読んだ。平野さんが一九六七年の夏に、植草甚一さんの住まい・仕事場を訪ねた時の話である。うーむ。オモシロイ。
 植草甚一の話から、以下一部引用文。
 「学校のころ舞台装置のデザインをやりました。あとになって、築地小劇場で吉田謙吉のデザインを見て、グレートーンでうまいなと思いました」。
 「コラージュは、エルンストの百頭女ねえ、あれにはびっくりしました」