長新太の『よくばり たーこ』

 朝から霧雨が降っていたが、午後になってじきに止んだ。つむじ風が吹き、北よりの風になり晴れる。
 夕方、上弦の月が、夜半の晴れた夜空には北斗七星が眺められた。
 ブックオフに寄り、以下の本を買う。
 浅井ミノル・文/長新太・絵『よくばり たーこ』(「ちいさなかがくのとも」2004年6月号、福音館書店
 森本哲郎『名作の旅、伝説の旅』1980年(角川文庫)

 「ぼくはイカやタコが好きだから、イカかタコになりたい。」と土井章史・編『長新太 ナンセンスの地平線からやってきた』(河出書房新社)という本で、インタビューに答えていた長新太の絵本を見つける。
 そのものずばりの絵本である。
 このように始まる。
 わたし、たこの たーこ。 
 なにか いいもの ないかな。
 さがしに いこう。 
 最後に、
 ふー、おなか いっぱい。
 おもしろい いちにちだった。
 おやすみなさーい。 
 この絵本を眺めていると、本当に長さんはイカかタコになりたいひとだったのかもしれない。そんな気がする絵本である。

 森本哲郎『名作の旅、伝説の旅』の解説は浅井慎平

 坪内祐三の『アメリカ』をやっと読み終える。
 雑誌『ニューヨーカー』をめぐる話が興味深かった。2003年ころだったか、英語に翻訳された初期の村上春樹の小説が載っていたが、あの時のへんてこりんな感じを思い出した。
 途中、安岡章太郎加藤典洋を引用して論じられている箇所が頷くところあり。
長新太―ナンセンスの地平線からやってきた (らんぷの本)