みじか夜や毛むしの上に露の玉

ハスのつぼみ

 21日は二十四節気のひとつ夏至であった。梅雨空で日照時間を実感できず。
 今日は午後から晴れ上がり、北からの風が吹く。日差しは強いが爽やかである。梅雨の中休みだ。夕方、公園の池に寄ってみる。ハスの茎がぐーんと伸びて、水面は葉の陰に隠れている。
 ハスのつぼみがひとつ膨らんでいた。蕪村の句に、「みじか夜や毛むしの上に露の玉」。
 週末、川本三郎の『東京暮らし』と中野翠の『小津ごのみ』を読んだ。
 『小津ごのみ』から、《「喜八もの」の女――飯田蝶子》で小津安二郎の映画『長屋紳士録』での飯田蝶子論がよかった。
 『東京暮らし』では、川本さんの中学のときの日本史の先生が山口昌男さんだったというエピソード。

 試験問題は「君がいま古代の日本に生きているとして一日の日記を書け」。仕方がないから、「朝、起きて縄文式土器で食事をし、そのあとみんなでマンモス狩りに行きました」と書いたら、「縄文式とマンモスが同じ時代か!」と頭をゴツンとやられた。これがのちの文化人類学者の山口昌男先生。  91ページ

 夜半に外へ出てみると、東の空に月が低く昇っている。南東には木星が眺められた。高度は30度くらいである。観望するには良い時期だ。
東京暮らし小津ごのみ