映画『エブリバディ・フェイマス!』

2009年2月プログラム

 ドミニク・デリュデレ監督の映画『エブリバディ・フェイマス!』(2000年、ベルギー、フランス、オランダ 95分 カラー)を映像文化ライブラリーで観る。観客は25人ほど。
 フラマン語とか300万人のフラマン人という字幕のセリフがある。この映画はフラマン語を話す人たちの多く住んでいる土地の映画である。ベルギーからオランダあたりだろうか。
 小さい頃から娘に歌手になってほしいと熱望している父親が、歌手になるという娘の夢を実現させるために奮闘していた。娘は歌のオーディションをいろいろ受けるが、いつも落選つづきである。
 ところが、父親は自分の働いていた工場が倒産し失業してしまう。経済的な苦境に陥った父親は、会社が倒産したことは妻には知らせていない。夜も眠れないので薬屋で睡眠薬を買う。
 睡眠薬を持って車で帰宅する途中に車がエンストしてしまう。
 ちょうど、自転車で通りかかった若い女が降りてきて、車の修理は得意だから見てあげると車の点検を始めた。
 自転車のヘルメットを脱ぐと、その若い女はテレビの歌番組で一番の人気のある女性歌手だったのだ。
 人気女性歌手が車を点検していて、喉が渇いたので何か飲み物がありませんか、と彼女から尋ねられた時に、睡眠薬を持っている父親は驚くような「犯罪的」な計画を思いつく。
 その計画を実行した父親と音楽プロデューサーの男との間で、娘のテレビでの歌手デビューをめぐる駆け引きがテレビ局を巻き込んで、そして誘拐された人気女性歌手を巻き込んで三つどもえの展開になる。
 フラマン人も「事件」と「歌番組」と現場からの報道でテレビの前に釘付けで、父親の「犯罪」がテレビで実況中継されるのだが、その直後にテレビの歌番組で娘は「ラッキー・マヌエロ」という曲を歌う。その曲がヒットして娘は人気歌手に・・・。
 よくできたコメディー映画かな。涙と笑いあり。
 見終わって外へ出ると、快晴で天頂に月が眺められた。
 思わず「ラッキー・マヌエロ」と口ずさむ。