エマニュエル・リヴァ写真集

紅梅

 紅梅が満開になった。ほんのり梅の花の香りがする。かぐわしい匂いだ。

 バラ科の落葉高木。葉は卵形で縁に細かいぎざぎざがある。早春、葉より先に、白・淡紅・紅色などの香りの強い花を開く。実は球形で、六月ごろ黄熟し、酸味がある。未熟なものは漢方で烏梅(うばい)といい薬用に、また梅干・梅酒などに用いる。  『大辞泉

 蕪村の句に、「紅梅の落花燃(もゆ)らむ馬の糞(くそ)」。天明三年一月二十一日の句である。
 今朝の朝日新聞の読書欄で、北澤憲昭氏によるエマニュエル・リヴァ写真集『HIROSHIMA 1958』の書評を読んだ。
 昨年(2008年)の11月、12月にクリックファームギャラリーとギャラリーGの会場でエプソンインクジェットプリンターで出力したエマニュエル・リヴァさんの撮った写真を見て、その画質が精細できれいなのに驚いた。
 当時のリヴァさんの撮影が、二眼レフのリコーフレックスでカメラの上からファインダーを覗(のぞ)いて撮っている。写されている人々の表情も、なぜか和やかな感じがする。
 クリックファームギャラリーに置いてあった、この写真集も開いて見た。
 撮影の場所は、だいたい同定できる。南は本川沿いに歩いて江波漁港まで足を伸ばしている。家並みから、撮影現場が推察できるのだった。
HIROSHIMA 1958