一粒の麦

トノサマガエル

 夕方よりにわか雨になり、ゴロゴロと雷が鳴る。空に強い光のすじが走る。稲妻! 梅雨の入り?
 そういえば、五日は二十四節気のひとつ芒種(ぼうしゅ)ですね。

 太陽の黄経が七五度の時。六月六日ごろ。稲・麦など芒(のぎ)をもつ穀物の種をまく時期とされていた。  『大辞泉

 芒(のぎ)と言うのは、稲や麦の実の外側に付いている棘(とげ)のようなものをいう。
 昨日からの朝日新聞の連載コラム、中沢新一「私の収穫」第一回は「大地に落ちる」で、今日は第二回「大地の下の無意識」と題して、レヴィ=ストロースからの影響にふれている。
《一粒の麦が豊かな実りをもたらすためには、死んで大地に落ちなければならない(イエス)。「死ぬ」は象徴的な言い方で、自分をつくりあげているすべてのものを、無自覚に愛するのではなく、そこから遠ざかることができなければならない、という意味なのだろう。そう考えていた私の前にあらわれたのが、人類学者レヴィ=ストロースだった。》