「須賀敦子を読む」のこと

糸トンボ

 公園の池に寄る。ハスの枯れた茎に糸トンボがいた。
 二センチほどまで近寄る。大きさは三センチほどのトンボだ。クロイトトンボ? 宝石のような青紋は見られないが・・・。
 公園を通りぬけてブックオフで二冊購入。
 小黒三郎『動物組み木をつくる』1984年第5刷(大月書店)
 小林信彦『笑学百科』1986年2刷(新潮文庫
 老舗書店で『波』2009年6月号を頂く。
 湯川豊著『須賀敦子を読む』(新潮社)という五月の新刊の書評を堀江敏幸氏。
須賀敦子を読む
 日仏交流150周年記念で、映画祭「フランス映画の秘宝」に、ロベール・ブレッソン監督の映画『罪の天使たち』があった。
 冒頭、親が会社を経営しているブルジョアの娘が、自ら進んで修道女になるためドミニコ会修道院に入るところから始まる。アンヌ=マリーという名の娘で、修道院へ入るや、直ちに刑務所へ行きたいと申し出て、服役者の罪に苦しむ魂の救済や立ち直りを支援したいという思いに駆られている。
 この書評で、《戦後イタリアのカトリック左派に属する書店経営とボランティア活動、学生時代に洗礼を受けたカトリック信者としての思想、また帰国後に携わった「エマウスの家」の活動について、須賀敦子は詳細に語らなかった。》とある。
 映画を見終わって、アンヌ=マリーと須賀敦子という人が二重写し的に思えたのだった。
 
 今月(6月)の新刊では、レヴィ=ストロースの『パロール・ドネ』中沢新一訳(講談社)に注目する。

パロール・ドネ (講談社選書メチエ)

パロール・ドネ (講談社選書メチエ)