最低気温が6℃、最高気温が8℃の小雨模様だった。三月五日は二十四節気のひとつ啓蟄(けいちつ)ですが、冬ごもりの虫が穴から出てくるという意味だそうで、まだまだ先のようです。
肌寒い日がつづく。しかし、一雨ごとに春が近づく気配が感じられます。
先日、渡り鳥のヒドリガモが川に群れていました。
この渡り鳥も、桜の咲く頃には、北方へ旅立つのでしょう。
正岡子規の句に、「内濠に小鴨のたまる日向かな」。明治二十八年の句です。
内濠にカモが群れていて、陽射しを浴びている。そんな光景でしょうか。
桜といえば、長谷邦夫著『桜三月散歩道』を二月から読んでいます。桜三月に読むにふさわしい。
桜三月散歩道というタイトルがいい。
もう一冊、盛口満、文・絵『見てびっくり野菜の植物学』(少年写真新聞社)を見ています。
眺めながら読む、といった植物学絵本です。副題は、「ゲッチョ先生の野菜コレクション」。勉強になります。
参照:『見てびっくり野菜の植物学』http://www.schoolpress.co.jp/book/getcho/yasai.htm
4日、フレデリック・ワイズマン監督の映画『アスペン』(1991年、146分、カラー、日本初公開)を観に出かけた。字幕翻訳・齋藤敦子。原題はAspen。
冒頭、ジャージー牛だろうか乳牛が放牧された高原で、青空に熱気球が揚がっている。
熱気球での結婚式をするカップル。
アスペンというコロラド州の町は今やスキーのリゾート地で多くのスキー客が滑っている。
高級別荘地のようでもある。町にはブランド物を売る店が並んでいる。
今も採掘している鉱山があり、鉱山の最奥の掘削部から鉱石を掘り出す様子を撮っている。
鉱石の排出口からアスペンの町が俯瞰される。古くからの鉱山町だったが、今はスキーのリゾート地、音楽や絵画といった文化的な催し物をすることでも発展している。
繁栄しているが、富裕層の移入と低所得層との格差の問題にみえる対比もうかがい知れる。
知識層だろうが、読書会を開いている人たちのシーンがあった。
フローベールの小説をめぐって白熱の論争(?)をしているのだったが面白かった。
フローベールの研究家には必見の作品だろう。

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