日没が早く、雪がちらついた。北風が強く雲が流されてゆく。
東の空には高く月が昇っていた。左下に木星が光っている。
「およそこの河豚ちりなんど召されけり」
畑耕一の俳句で、冬の句で季語は河豚。
河豚料理で飲むお酒といえば、鰭酒(ひれざけ)でしょうか。
フグやタイのひれを焼いて、熱燗(あつかん)の清酒に入れて作る。
酒の味がよくなり独特の香味があります。
「鰭酒に五臓六腑を托しけり」
湯豆腐の句を見ると、
「湯豆腐をかなわぬ戀と崩しけり」
「湯豆腐は踊るすなはち語りけり」
寄せ鍋はよせ! これは駄洒落ですが、こういう句もあります。
「なま長き愚痴に寄せ鍋崩しけり」
「けり」と句末で言い切る。
千野帽子著『俳句いきなり入門』による俳句の基本原則。
(1)俳句は原則一七音。
(2)上五・中七・下五のあいだにスペースを入れない。
(3)句末あるいは句の途中に「切れ」が入る。
(4)季語を入れて作る。季語は原則一個。
(5)季語の説明をしない。
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- 作者: 千野帽子
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