古厩智之監督の『ロボコン』

 《7月、8月は「日本映画2001年からのブレークスルー」と題して、2001年以降に公開された、若手監督の作品、若手俳優が才能を見せた作品などにより、21世紀になってから10数年の日本映画を振り返ります。》

 古厩智之(ふるまやともゆき)監督の『ロボコン』(2003年、「ロボコン」製作委員会、118分、カラー)が映像文化ライブラリーで上映される。
 出演は長澤まさみ小栗旬伊藤淳史塚本高史吉田日出子うじきつよし
 
 

高等専門学校の生徒たちが、自作のロボットを使った競技で全国一を目指して熱戦を繰り広げるロボットコンテスト、通称“高専ロボコン”。この“理数系の甲子園”とも呼ばれる憧れの舞台に情熱を注ぐ、落ちこぼれ4人組の奮闘を描く。

 徳山にある高等専門学校を舞台に、ロボット部員の落ちこぼればかりが集まった第二ロボット部が、第一ロボット部員らと対立しながら全国大会のロボットコンテスト出場を目指して、中国地方予選大会、そして九州での全国大会のロボットコンテストで優勝するまでを描く。
 最初やる気のなかった紅一点の部員・長澤まさみが、大会でロボットの操縦者として予選から全国大会としだいに熱を帯びてきて熱中してゆく。
 設計担当の小栗旬、作戦指揮を担当の伊藤淳史、ロボット製作担当の塚本高史の三人に操縦担当の長澤まさみが反目と協力、様々な葛藤を経て勝ち抜いて行く。
 ロボットコンテストの試合も面白い展開で楽しめた。
 予選から全国大会の間、休暇と称して、部員は温泉旅館で働き合宿をする。
 そのロケ地が、湯野温泉紫水園、室積海岸、大会出場の九州との往復に周防灘フェリーを使っていた。
 旅館の女将が吉田日出子で部員をこき使うさまが笑える。長澤まさみの父親役をうじきつよし。サイクリストのスタイルで大会会場まで応援に駆けつける。