睡蓮と「漂流怪人・きだみのる」

 16日、雨が降った。
 17日、晴れ上がり、最高気温24℃、最低気温10℃。空気が乾燥して爽やかだ。
 雨上がりの公園の池には睡蓮が咲いていた。水面に青空が映されている。

 

 嵐山光三郎の新刊で『漂流怪人・きだみのる』を読んだ。
 小学館の月刊『本の窓』に連載していた。
 2013年3・4月合併号で、連載「漂流怪人・きだみのる」 第五回「ミョウガの玉子とじ」とはなにか、を読み、これは面白い連載になるだろうと思った。
 その連載がまとまって一冊になった。
 平凡社の雑誌「太陽」で、筆者はきだみのるの担当編集者だった。
 今回、まとまって読むと、筆者の見聞きしたきだみのるについてのエピソードが面白く驚くべきものだった。
 連載第五回で、写真家の柳沢信(やなぎさわしん)さんが、筆者に石童丸(いしどうまる)の話をする場面がある。
 柳沢信さんが自分自身の「父と子」という意識を、きだドンとミミくんの「父と子」という意識とに重ねて語る箇所である。この「石童丸」のことが、この本の底を流れる主題になっている気がしてならない。
 きだみのる、ミミくん、筆者、柳沢信の四名の記念写真も掲載されている。柳沢信さんと筆者が若い!
 絵による図解で、きだみのる甘粕正彦の比較をしているページが興味深い。
 このアイデアは優れて説得的である。必見!
 辻潤辻まこと父子をめぐる筆者の筆が冴える。
 きだドンとミミくんの「父と子」という意識をめぐる筆者の筆もまた冴える。
 
 参照:http://d.hatena.ne.jp/kurisu2/20160215 

漂流怪人・きだみのる

漂流怪人・きだみのる