翻訳家10傑

 「本の雑誌」10月号を読むと、「400号スペシャル なんでもベスト10!」という特集が目を引いた。
 出版社10傑(坪内祐三)、翻訳家10傑(金子靖)という風に20人が寄稿している。
 10月号で創刊から41年かかって400号を迎えたのだ。
 「翻訳家10傑」(金子靖)によると、《(前略)ここでは一緒に仕事をしたことがある人たちを中心に、英米関係の翻訳者を十人、その代表作とともに紹介してみたい。》
 

 柴田元幸
 村上春樹
 上岡信雄
 佐藤良明
 小川高義
 大森望
 青山南
 亀井よし子
 中村保男
 飛田茂雄


 《「英語がよく読める」ということについては、佐藤良明の右に出る人はいないと思う。なにしろ、ネイティブですらよくわからない表現が満載のピンチョン『重力の虹』を単独で訳したのだ! まさに日本が世界に誇る訳業といえよう。彼は同じくピンチョンの『ヴァインランド』を一九九八年に訳しており、これを代表作としたい。》

 金子靖氏がピンチョンの『重力の虹』翻訳を世界に誇る訳業といえようと述べている。
 ピンチョンの『ヴァインランド』は、「池澤夏樹=個人編集 世界文学全集」の第2集に収録されていて、『ヴァインランド』の解説を訳者の佐藤良明氏が書いている。
 その中に、《毎年十月になると、世界のジャーナリストの間でノーベル賞候補の推測が飛び交うのだが、トマス・ピンチョンはかねてからそのリストの常連である。しばらく前からボブ・ディランの名もときどき聞かれる。》と言う一節がある。
 今年のノーベル文学賞授与が決まったボブ・ディランもかねてからそのリストの常連であったようだ。
 参照:トマス・ピンチョンの『ヴァインランド』http://d.hatena.ne.jp/kurisu2/20101005




トマス・ピンチョン 全小説 重力の虹[上] (Thomas Pynchon Complete Collection)

トマス・ピンチョン 全小説 重力の虹[上] (Thomas Pynchon Complete Collection)

トマス・ピンチョン全小説 重力の虹[下] (Thomas Pynchon Complete Collection)

トマス・ピンチョン全小説 重力の虹[下] (Thomas Pynchon Complete Collection)

ヴァインランド (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第2集)

ヴァインランド (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第2集)