年忘れひそかに祀る神おはし

 大晦日(おおみそか)は一年の最後の日。
 最高気温10℃、最低気温4℃。晴れて西からの風がゆるやかだ。
 街路樹の山茶花(さざんか)が満開で目を楽しませてくれる。
 夕方の南西の空は澄み渡った冬空で、宵の明星の金星が明るく輝いている。
 地上の騒がしさを忘れさせる天上の天体である。 


 

 「年忘れひそかに祀る神おはし
 「白菜と夜目に運びて年用意


 中村汀女の俳句で、昭和十五年(1940年)の句です。

 昭和十五年の師走の光景を思い起こさせる句に、


 「人波のここに愉しや日記買ふ
 「師走人おおと焚火を避け過ぎぬ


 中村汀女も師走に来年の日記帳を買っていたようです。

 過ぎ行く年を見送り、新しき年を迎える。
 皆さま、よいお年をお迎えください。