正月と小説の話

大聖院山門

 あけましておめでとうございます。

 朝はお雑煮とお屠蘇で正月らしい気分になった。
 お雑煮は丸餅と蛤(はまぐり)と蒲鉾と三つ葉が入っている。汁は澄ましである。

 初詣に神社仏閣へ出かける。道中、電車で長嶋有の小説「ジャージの二人」を読む。
 昨年から読み継いでいる。この小説は、ゆっくり読むほどに細部の描写が愉しい。
 もう一冊が新刊の関川夏央の『汽車旅放浪記』で中公文庫版である。
 「楽しい汽車旅」「宮脇俊三の時間旅行」、「坊ちゃん」たちが乗った汽車、の三篇が収録されている。
 そういえば、「文學界」2016年12月号の関川夏央高橋源一郎の対談「『坊っちゃん』の青春、現代の青春」が、夏目漱石の小説「坊ちゃん」をめぐる対談であった。対談好きには見逃せないユニーク(?)な「坊ちゃん」論である。
 清と云う下女のモデルが誰であるかを関川夏央が論じているのだが、この見立てには感心した。
 
 参照:http://www.bunshun.co.jp/mag/bungakukai/bungakukai1612.htm
    「坊ちゃん」http://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/752_14964.html

ジャージの二人 (集英社文庫)

ジャージの二人 (集英社文庫)