津軽采女の『何羨録』

雪だるま

 朝からラジオを聴きながら年賀状を書く。NHKラジオの「年末スペシャル2005」に作家の石田衣良がゲストにでていた。夜になると、柳田邦男、幸田真音堺屋太一らがゲストの「2005ニュースハイライト」を聴く。今年も暮れる。話題になった「言葉」をめぐって堺屋太一幸田真音の話に耳を傾ける。うん、うん。うなずく。
 石田衣良といえば、出久根達郎の『あらいざらい本の話』に石田の『LAST』の書評があったが、他にも読んでみたくなるような文章が多い。たとえば、長辻象平の『忠臣蔵釣客伝』(講談社)。『何羨録』(かせんろく)*1の著者、津軽采女を主人公に設定した「釣りの世界から見た」赤穂浪士の討ち入り。うーむ。
 ちくま文庫下川耿史『日本エロ写真史』の文庫解説の文にも注目した。ずいぶん前に、「随筆サンケイ」といった雑誌があった。その雑誌の編集者が下川耿史さんだったような気がする。お目にかかって話したことがあったなあ。

*1:わが国最古の釣りの本。四千石の旗本、津軽采女(うねめ)が書いた。将軍綱吉の小姓をつとめ、忠臣蔵の仇役である吉良上野介の娘を妻にする。この本は、有名なアイザックウォルトンの『釣魚大全』(ちょうぎよたいぜん)に匹敵する名著という。