『あらいざらい本の話』

宮殿

 正午過ぎに川を渡っていると、前方上空の5メートルほどのところを、カラスが口に何かをくわえて羽を上下に動かしながら飛んで行った。すると、それを追うかのように白いカモメが一羽、二羽、三羽と羽を上下に動かしながら、カラスの後を飛んで行った。カラスはトンボ帰りに大回りして戻って行った。ふーむ。竹のひびが立っている水面には、カモメの群れが散らばって浮いているのだった。
 夕方から「おとぎの国」をイメージしたイルミネーションを、まだ見ていなかった残りを見物する。光の雪ダルマ、バンビなど。メリーゴーラウンドはヒマラヤ杉の根元に造られていた。今夜はそれほど寒くはなかった。
 出久根達郎の『あらいざらい本の話』2005年(河出書房新社)に収められた書物エッセイがいい。どこから読んでも良し。