晴れて気温が高めだった。街路樹に椿の木が植えられていて一輪だけが咲いている。赤い色の花。山茶花のように鈴なりではなく、一輪のみ咲いている。椿といえば『蕪村俳句集』*1の句に、
ある隠士のもとにて
古庭に茶筌(ちゃせん)花さく椿かな
あぢきなや椿落(おち)うづむにはたず(づ)み*2
玉人*3(タマスリ)の座右にひらくつばき哉
最初の句が明和六年(1769年)二月。次の句が安永三年(1774年)一月。三句目が安永八年(1779年)。
この句集に収められた句で気づいたのは椿の句が余り多くなかったことだ。梅と鶯(うぐいす)の句が、とりわけ多い。
「出版ダイジェスト」(白水社の本棚)No.126が届く。一面の「愛書狂」というコラムで、雑誌の重量をめぐっての話が面白かった。三五〇〇グラムの重量のある雑誌。うーむ。片手では持てないぞ。最近の『大辞泉』が二八〇〇グラム、『大辞林』が三八〇〇グラムというから、この重さには呆れてしまう。苦笑。