中野翠の『犬がころんだ』のこと

月と梅

 夕暮れ時に月が東に眺められた。すでに高く昇っている。通りにある白梅がちょうど見頃だ。白梅の周辺の地面には、ばら撒かれたように花びらが散っていた。うーむ。ほんのり香りが漂っている。
 ブックオフで、中野翠の『犬がころんだ』1999年(文春文庫)を購入。『サンデー毎日』連載の「満月雑記帳」と『アサヒグラフ』に一年間だけ連載した『東京10階日記』を収録している。
 『東京10階日記』は「東京○×日記」を改題したものである。
 あとがきを読むと、「時評というよりも身辺雑記的な感じが強い本になった。」というように『アサヒグラフ』連載の日記が、一味違っていて面白い。
 その中の『アサヒグラフ』の方の日記で、中野さんが唸っている円地文子の『江戸文学問わず語り』*1ちくま文庫)、ジョージ・オーウェルの『パリ・ロンドン放浪記』*2は、ちょっと読んで見たくなった。
 昨日、書店でもらった『本の話』3月号で、柴田元幸の「きわめて実用的な本」を読んだ。高橋源一郎の『ニッポンの小説 百年の孤独*3をめぐる書評である。ふーむ。なるほどね。