勝川克志の『庄太』のこと

 燕の幼鳥が地面に落ちていた。どこからか飛んで来たらしい。それに気づいた人が、拾って樹木の枝に止まらせていると、親鳥の燕がやって来ていて、少し離れた軒先の上にとまっていた。
 すると、猫が一匹、忍び足で幼鳥のつかまっている枝の下へやって来た。それに気づいた親鳥は、猫へ注意を向けさせるように、自分が低空で鳴きながら行ったり来たりと飛び始めたのだった。
 それを見た人が、猫を捕まえて遠くへ離したのであった。
 その後、いつの間にやら幼鳥の燕は飛び去っていた。よかった、ほっとする。
 今日の蕪村の一句、「鳥稀(まれ)に水また遠しせみの声」。
 明和五年六月二十五日の句である。
 勝川克志さんから「のんき新聞」第14号が届く。郵便切手の一枚の消印が十四日で、その上に三十日の消印が押されている。住所のあて先が一部違っていて差出人へ戻されたらしい。もう一度貼った切手(小津安二郎の記念切手)には三十日の消印が押されていた。
 「勝川克志原画展」が単行本『庄太』(上巻)http://www.sanko-sha.info/(さんこう社)の発行を記念して、その原画などが、杉並区阿佐ヶ谷南2−20−10の画廊喫茶『対山館』で、八月三日〜十日まで展示されるという。
 編集後記によると、十三年間もやったことなかったのに、今年は二回目の原画展になるそうだ。一月末から二月初めにかけて『少年幻燈館』(小学館)が刊行されたのを記念した原画展があり、八月に『庄太』(上巻)が、さんこう社から発売で、その原画展である。
少年幻燈館 (ビッグコミックススペシャル)