「新日曜美術館」でフェルメールを見聞

イチョウ

 寒気団の南下で、冷え込む。晴れて街路樹の紅葉が鮮やかだ。
 夕方、上弦の月が南南東の空に高く昇っていた。気温が下がり澄み切った空に流れる雲と半月が眺められる。
 NHK教育テレビの「新日曜美術館」で《フェルメール つきぬ魔法の秘密〜「牛乳を注ぐ女」〜》を観る。ヨハネス・フェルメールの最高傑作と言われる「牛乳を注ぐ女」をめぐって、ゲストの大橋巨泉有吉玉青のお二人と司会の檀ふみと黒沢保裕のお二人との談話を興味深く聴いた。
 フェルメールの「牛乳を注ぐ女」は焼きしめられた陶器のようなかたい印象がする画面だが、描写が細部に繊細な表現が見られる。サイズは縦横が40センチと40センチほどの、思ったより大きくない小さな画面。
 壁の釘(くぎ)についている陰影、釘が抜け落ちた跡の錆び跡まで、細かいところまで描かれている。
 窓が欠けて、光がこぼれて窓枠に当たった光によって、その部分が明るくなっている。繊細な表現。
 静謐な画面で、牛乳を注ぐ女の牛乳だけが動きがあり、牛乳の流れる様子を螺旋状にあらわしているのだった。
 17世紀のオランダ市民階級が求めた風俗画がどのようなものだったかという話や、フェルメールが半分絵描きで半分宿屋の亭主というのも興味を引いた。
 フェルメールの同時代人ヤン・ステーンの「酔っ払った男と女」という絵やハブリエル・メツーの絵にも触れていたので、フェルメールと同時代人の画家にも関心が向くのだった。
 参照:「新日曜美術館http://www.nhk.or.jp/nichibi/weekly/2007/1118/index.html