シネツイン1でジャン=リュック・ゴダール監督の映画『女は女である』を観る。
(1961年/フランス=イタリア合作映画/1時間24分)
4月12日から1週間限りの上映。観客は40人ほどで半分弱の入りだった。
出演は子供を欲しがる妻にアンナ・カリーナ、嫌がる夫にジャン=クロード・ブリアリ、夫の友人にジャン=ポール・ベルモンド。
寝室から抜け出して本棚から本を二人が引っ張り出して来て、互いにその本のタイトルの文字を見せ合いながらする沈黙の夫婦喧嘩があって、思わず笑いを誘う。
本を使った、こんなシーンは今まで見たことはない。こうした小さな驚きやウィットが映画の中で炸裂する。
アンナ・カリーナの衣服の色や着こなしは、ファッション好きには目が離せないだろう。動いているアンナ・カリーナが印象的だ。
文学的引用と、遊び心のある映画的な手法や演出は見ものだ。軽快な軽妙なコメディ。
ちょっとしたミュージカル映画でもある。
映画のなかでパリの街で一瞬見えた通行人の一人が、サルトルだったような気がした。 いや、違っているかもしれないが・・・。
アンナ・カリーナのカリーナは、イタリア語のcarinoから来ているのかな。
カリーナのフランス語の発音が、ブリアリが映画のセリフでいうように、デンマークのコペンハーゲン訛りのフランス語なのかもしれないね。
「エンドマーク」2008年4月号を頂く。