冬至の書評

 21日は二十四節気のひとつ冬至である。朝から霧雨が降ったり止んだりの一日であった。10度前後の気温で終日経過する。かぼちゃにゆず湯。
 蕪村の句に、「新右衛門(しんゑもん)蛇足(じゃそく)を誘ふ冬至かな」。*1
 今朝の朝日新聞に、農文協から『風土の発見と創造 三澤勝衛著作集』全4巻の広告を見た。先月(11月)のラジオ深夜便「ないとガイド」の「自然に親しむ」で、内山節氏が紹介していた三澤勝衛の本である。
 参照:「三澤勝衛著作集3 風土産業」http://shop.ruralnet.or.jp/search_result.php?mode=detail&id=016307&b_no=01_4540082061
 毎日新聞の「今週の本棚」に、鹿島茂の書評で石井洋二郎著『ロートレアモン 越境と創造』(筑摩書房)が採り上げられている。
 鹿島さんも言うように、『マルドロールの歌』をわたしも栗田勇訳の現代思潮社版で読んだのだった。(箱入りの黒い本で、箱は滴が散ったような粟津潔の装丁で印象的だった)
「では、ロートレアモン伯爵とはいったいどんな人物だったのだろうか?」と問われれば?
 なぞの多い詩人であるが、この書評によると、イジドール・デュカスが残した詩と文の謎が解き明かされているようだ。
 10月に観た「フランス映画の秘宝」でサッシャ・ギドリの映画『あなたの目になりたい』に、普仏戦争に触れたシーンがあったが、普仏戦争の頃がまさにイジドール・デュカスの最晩年の時期にあたる。
 これは是非とも読んでみたい。
 石井洋二郎「越境する詩人の生涯」http://www.chikumashobo.co.jp/pr_chikuma/0811/081105.jsp

*1:新右衛門―蜷川親当智蘊連歌七賢の一。一休に参禅した。蛇足―曾我宗誉。一休の絵の師。冬至―禅家の祝日。