マルチェッロ・アルジッリ

くじらをすきになった潜水艦

 マルチェッロ・アルジッリの『くじらをすきになった潜水艦』(大日本図書)を読みました。安藤美紀夫・訳、太田大八・絵。収録されている作品は四編。
 イタリアの児童文学では、光文社古典新訳文庫でジャンニ・ロダーリの『猫とともに去りぬ』(関口英子・訳)がありますが、マルチェッロ・アルジッリの作品も面白いですね。
 表題作以外は「チン、チン、チンのルイゼッタ」、「小さな自動車の夢」、「魔法つかいと仙女(せんにょ)と機械」の三篇です。
 いずれも人間と機械との関係を描いています。アルジッリの作品の特徴でしょうか。訳者のあとがきによると、《この短編集は、もともと1968年に『現代の寓話』(Fiabe dei nostri tempi)として出版されたものの中から、作者がいくつか選んで本にしたものですが、ここではその本の五つの物語から四つを訳しました。》