「怯えの時代」と「浮世絵」

 ラジオ深夜便の「自然に親しむ」は明石勇アナウンサーの担当日。
 今夜はみなみらんぼうの出演だった。来月の「自然に親しむ」のゲストは内山節さんで、最終回になるそうだ。
 その、内山さんの新刊に『怯えの時代』(新潮社)があるようだ。

 15日のNHK教育テレビの「新日曜美術館」で「岩佐又兵衛 驚異の極彩色絵巻」と題した番組を放送していた。
 「山中常盤物語絵巻」や「浄瑠璃物語絵巻」をめぐり、ゲストの辻惟雄(のぶお)さんと羽田澄子さんの談話を興味深く聴いた。
 ドイツの美術館に買われて行くのを長谷川巳之吉(みのきち)が買ったエピソードなど。

 檀ふみ よく流出を防いでくれましたね。
 羽田 (大名の)お嬢さんたちは芝居に見にいけないんですよ。絵巻物を、この映画をみているように楽しんだんですね。浄瑠璃の言葉が、この絵巻に書いてあるんですね。それを浄瑠璃に作曲してもらって・・・。
 檀ふみ 羽田さんが、(「山中常盤物語絵巻」を)日本で一番見ている方なんではないですか。

 「浄瑠璃物語絵巻」は、人形浄瑠璃を大名のお姫様が芝居に見にいけないので、波乱万丈の展開になる絵巻を描いたんだという。

 羽田 劇画だとかアニメだとか 日本人の才能の一つのながれがここにある。
 
 この世に生きるのはつらいことだよ、この世は浮世だよ。

 岩佐又兵衛は名声が上がると、越前福井に妻子を残して単身赴任で江戸へ行く。歌仙絵で人気を博し 江戸滞在が延びた。
 妻子に宛てた手紙が残っている。
 参照:「自著を語る」http://www.bunshun.co.jp/jicho/iwasa/iwasa.htm
怯えの時代 (新潮選書)