映画『ストライキ』

 朝、この冬一番の冷え込みで氷点下だった。
 晴れても日中の最高気温4度。寒気団の南下でぶるぶる寒い。
 山間部では雪が降っている。かなりの積雪である。
 蕪村の句に、「牙(きば)寒き梁(うつばり)の月の鼠(ねずみ)かな」。安永七年の句である。

 「エイゼンシュテイン特集」が18日から始まった。
 セルゲイ・エイゼンシュテイン監督の映画5本が上映される。
 『ストライキ』(1924年)
 『戦艦ポチョムキン』(1925年)
 『十月』(1928年)
 『全線』(1929)
 『アレクサンドル・ネフスキー』(1938年)

 18日、『ストライキ』(1924年、81分、白黒、無声[サウンド版])を観に寄った。観客は10人ほど。 
 
 窓口で解説のチラシを入手。(ロシア映画社ホームページより)
 チラシを見ていくと、職工長をグレゴリー・アレクサンドロフが演じている。
 『陽気な連中』(1935年)というミュージカル・コメディ映画を監督した人だ。
 モスクワのジャズ楽団の演奏会、歌って踊って、そしてギャグとナンセンスがアメリカの喜劇王でも顔負けの映画を作った人である。今年観た映画で印象に残る傑作。
 それはさて置き、『ストライキ』は、帝政ロシア時代の製鉄工場の労働者がストライキで立ち上がったときに、騎馬警官が馬に乗って労働者のデモ隊に襲いかかる場面の連続するシーンが、生々しい動きで、圧倒的に迫ってくる。
 第一章「工場は見たところ平静だ」
 第二章「ストライキの発端」
 第三章「工場は静まりかえった」
 第四章「ストライキは長期化した」
 第五章「弾圧のための挑発」
 第六章「鎮圧」
 騎馬警官との乱闘場面は発展して、警官や軍隊の出動で放水ホースからのほとばしる水に、逃げまどう群集となって追いかけられる。
 追って来た軍隊は一斉に銃を構えて群集を撃つ。撃つ。労働者はついに郊外で虐殺された。
 牛の屠殺される映像と労働者の死体が対比的にモンタージュされる。
 牛の屠殺の場面は目を背けたくなるようなシーンである。
 ラストにレーニンの教訓的な言葉が映される。