『流離の岸』

 「新藤兼人 百年の軌跡」をテーマに、4月から引き続き5月も回顧上映が催された。
 24日、映画『流離の岸』(1956年、日活、101分、白黒)を観た。 
 出演は北原三枝乙羽信子、村瀬幸子、三國連太郎、菅井一郎、金子信雄殿山泰司二木てるみ
 撮影が伊藤武夫。音楽は伊福部昭である。

 5月プログラムより引用。 

大田洋子の同名小説の映画化。年頃になった千穂は、級友の兄・竜吉と結婚するが、竜吉には妻と子どもがいた。いつしか母と同じ道を歩もうとしていることに気づいた千穂は、竜吉と別れる決心をする・・・。
 (東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品)

 主演の千穂を北原三枝、千穂の母を乙羽信子、千穂の祖母を村瀬幸子、妻子がいるのに隠して千穂と結婚する医師・竜吉を三國連太郎が演じている。
 脇役に、竜吉の父で同じく医師を菅井一郎、千穂の母の再婚相手高倉を金子信雄が演じる。
 『流離の岸』は、山口県萩、宮島口の桟橋をロケの舞台にしている。 
 竜吉の不実によって、母と同じ境遇に追いつめられる千穂の痛切な思いと葛藤を、北原三枝が熱演している。 
 千穂の子ども時代は、二木てるみが子役で演じていた。