サクランボと「私の極意」


 24日、最低気温17℃、最高気温29℃。快晴で空気が乾燥している。
 そのためか風が吹くと爽やかである。 
 公園の桜に、サクランボの実が見られた。近寄って観察する。

 先日の20日、NHKラジオ深夜便で「母を語る 俳人金子兜太」というインタビュー番組を聴いた。
 遠藤ふき子さんが聞き手で、質問に兜太さんが答える。
 一部を聞き書きしてみた。

 埼玉県の小川町から山を越して秩父の山奥へ嫁いできたお袋は、私のことを与太与太(よたよた)と言っていた。
 兜太(とうた)と言わないで与太、与太と言っていた。
 育った家族が大家族で、昭和恐慌期のお袋の苦労を見ていて、母親が日本の家族制度の犠牲者だからお袋の味方だった。
 日本における家族制度におけるお袋のことを思って、農村構造から日本を見る方がいいと経済学をやりました。
 水原秋桜子が父の同級生で友人で、父は月に二回句会をやっておった。
 昭和の農村恐慌で繭を売って暮らしている秩父で医者は現金収入がなかった。
 弟が医者を継いだ。
 17で私を産んでいる。
 母親の教訓として言いたい。 


 最近入手した村上護編『俳句の達人30人が語る「私の極意」』が、三十人の俳人の対談を収録している。
 対談の聞き役が村上護(まもる)氏で、金子兜太さんとの対談がある。
 まえがきにあるように、俳句の極意を惜しみなく開陳した滋味深いものになっている。
 金子兜太の巻は、「五七五は肉体のリズム」というタイトルで、冒頭に自選十句が並べられている。
 そのうちの一句。
 「湾曲し火傷(かしょう)し爆心地のマラソン

俳句の達人30人が語る「私の極意」 (講談社文庫)

俳句の達人30人が語る「私の極意」 (講談社文庫)