「天野祐吉対話集」

 
 20日、彼岸だった。道端に彼岸花が咲いていた。 

ヒガンバナ科多年草。土手や田の畦に生える。秋の彼岸のころ、高さ約三〇センチの花茎を伸ばし、長い雄しべ・雌しべをもつ赤い六部弁花を数個輪状につける。花の後、線形の葉が出て越冬する。有毒植物であるが、鱗茎(りんけい)を外用薬とする。『大辞泉

 昨年の10月に亡くなられた天野祐吉さんの本が出た。
 「天野祐吉対話集」だ。副題が「さよなら広告 さよならニッポン」で、14人との対話が収録されている。
 《「わたしは、「おしゃべり」や「雑談」でも、こんなにすごい内容になるのか、と幾度も感心した。───高橋源一郎「天野さんのこと」より》
 天野祐吉多田道太郎の「ネーミングは宇宙である」を読む。
 広告で商品の宣伝に名づけることをめぐって深い哲学的な問題を含む面白い二人のおしゃべりが愉しめた。
 多田さんの発言に初耳の話があり、鎌倉にいた時期ということばが印象に残った。謎のことばだ。

 横尾忠則粒あんvsこしあん」も収録されている。
 小豆のあんが粒あんが好きな人とこしあんが好きな人のこととを論じていく。

天野祐吉対話集─さよなら広告 さよならニッポン

天野祐吉対話集─さよなら広告 さよならニッポン