鳴く蝉は海へ落つる日獨り負ふ

 8日は二十四節気のひとつ、立秋である。暦(こよみ)の上で秋がはじまる日。
 晴れる、最高気温35℃、最低気温26℃。連日、猛暑日
 クマゼミが朝早くから鳴く。遅れてアブラゼミも鳴きはじめる。


 「鳴く蝉は海へ落つる日獨り負ふ
 「向日葵(ひまわり)の前よりの磴(とう)まだ盡(つ)きず
 「向日葵やガード都の門をなす

 中村草田男の昭和十六年(1941年)の俳句から三句。


 戦後七〇年をめぐる新刊に、「マンガでわかる戦後ニッポン」が出ました。
 戦後の漫画の年代ごとのアンソロジーで、作品の解題を中野晴行氏、解説を内田樹氏が担当。
 参照:http://natalie.mu/comic/news/155038

 収録作品は、


 手塚治虫「紙の砦」
 水木しげる「国際ギャング団」
 つげ義春「大場電気鍍金工業所」
 はるき悦巳力道山がやって来た」 
 ちばてつや「風のように」
 勝川克志「ミゼットと電器店
 大友克洋上を向いて歩こう
 西岸良平「丹沢の棟梁」
 諸星大二郎「不安の立像」
 かわぐちかいじ「抱きしめたい」
 岡崎京子「秋の日は釣瓶落とし
 谷口ジロー「犬を飼う」
 村上もとかあなたを忘れない


 中野晴行氏が作品の解題を書いている。

 諸星大二郎「不安の立像」や勝川克志「ミゼットと電器店」などを懐かしく読む。
 「ミゼットと電器店」の解題を一部引用すると、

 《高度成長時代は日本人の暮らしの中にさまざまな電気製品が入り込んできた時代でもありました。作者は岐阜県のとある農村の出身。田舎よりは少し町に近い村だったようです。 
 そこで電気店を営んでいた実家をモデルに、1956年から61年までの暮らしの変化を回顧したのがこの作品です。》

マンガでわかる戦後ニッポン

マンガでわかる戦後ニッポン