おかき事件

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 晴れて残暑がつづく。最高気温34℃。百日紅サルスベリ)の花が咲き出している。淡紅色で、青空を背にして風にゆれる。

ミソハギ科の落葉高木。高さ三~七メートル。幹は薄い紅紫色で皮ははげやすく、跡が白くなり、滑らか。葉は楕円形。夏から秋にかけて、しわの多い紅・淡紫・白などの六弁花をつける。中国の原産で、観賞用に栽培される。ひゃくじつこう。 『大辞泉

 朝吹真理子の新刊で『抽斗(ひきだし)のなかの海』を読む。

 吉田健一の小説、古井由吉大江健三郎後藤明生の『首塚の上のアドバルーン』、金井美恵子の小説をめぐる文を興味深く読んだ。

 「おかき事件」というタイトルの文章には、大笑い。

 《とあるイベントで大好きな作家の町田康さんに会ったときも、事の次第を話してから、おかきを差し上げた。町田さんは、おかき殺人事件みたいなはなしを書いたらええわ、と笑いながら言ってくださった。「おかき殺人事件」というフレーズが最高だったので、いっそ取材をかねてお見合いをすべきだったかと一瞬だけ後悔した。それでも、本当にお見合いをしたら、私が失踪する話になってしまったかもしれない。295ページ》

抽斗のなかの海 (単行本)

抽斗のなかの海 (単行本)