『野呂邦暢 古本屋写真集』のこと

 『野呂邦暢 古本屋写真集』が岡崎武志&古本屋ツアー・イン・ジャパン編で文庫化された。その表紙を見ると、古本屋の前に立つ野呂邦暢さんが写っている。
 この表紙の写真の古本屋が、編者の岡崎武志小山力也の二人の対談を読むと、エイス書房であるという。
 ちくま文庫の表紙ではエイス書房とは分かりにくいが、68,69ページの写真の方を拝見すると、エイス書房という店名が確認できる。
 野呂邦暢は東京の神保町、早稲田、渋谷、池袋、荻窪、それに広島の古本屋の写真を撮っていたのだった。68、69ページの見開きページの写真が千田町にあったエイス書房である。広島電鉄の本社のすぐそばにあった。
 70ページの写真が南海堂。間口が狭いが奥行の深い店であった。
 71、72ページがアカデミイ書店。今も健在である。
 101ページの写真が、八丁堀の福屋の8階にあった名画座のようである。